第一話 そんな護衛で大丈夫か? 大丈夫だ。問題しかない。
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叫する。
よりにもよって。この学校で一番見られたくない友人にこの恰好を目撃されてしまう!!
リゼ「しゃ、シャロ!違うんだこれは!!じ、事情があってだな!!」
シャロ「り、りりり、リゼ先輩が、お、おお、男の人と一緒で、男の人が、リゼ先輩と一緒で、ふ、、二人が抱き合ってて!!お姫様でええぇぇえぇえええええ!!」
リゼ「シャロ、頼むから落ち着いて話を聞いてくれ!」
そんな私の呼びかけは金髪の少女――桐間紗路には全く届いている様子はない。
シャロ「お、おお、おおお?」
リゼ「シャロ?聞いているのか?シャロ!?」
シャロ「お邪魔しましたぁあああああーーーーー!!!!」
リゼ「待ってくれぇええーーー!!話をきいてくれえええーーー!!!!!!」
私の絶叫も虚しく、シャロは語尾のあを伸ばしたドップラー効果と共に、廊下の曲がり角を曲がって、姿が見えなくなってしまう。
雄二「何やら、大変なことになってしまったな」
リゼ「お前がそれを言うか!?ことの発端はお前だろうが!!」
雄二「いや、元をただせばさきほどお前の足元にいた……この甲虫が原因だな」
ヒョイ、と彼は私の足元にいた甲虫を摘み上げ、窓から外へ逃がした。
リゼ「何だ、殺さないのか?軍人だろ?臆したか!この臆病者め」
かなりの興奮状態にあった私は、勢いのまま過激な挑発をする。あわよくば、この挑発に乗ったコイツの隙を狙い、コイツから距離を取る為に。
だが、その後に意味深な返しが待っていた。
雄二「確かに軍人だが、今の任務は殺しじゃない。それに、殺しだったとしても、俺には殺せない。文字通り、虫一匹たりとも、な」
リゼ「は?」
肩すかしを食らったかのように、私はあっけにとられ、眉をひそめる。
意味が解らない。
本当に、意味が解らない。だが、私はこのときコイツの大切な何かに微かに触れた。そんな気がした。
そして、今の発言はその言葉を発した本人さえも、少なからず驚いているようだった。なんて自分は今こんなことを話したんだ、といった具合に。
その驚いた拍子に力が微かに緩み、私は飛びだすように彼から距離を取る。経過はどうあれ、作戦は成功した。
しかし、距離を取ったは良いものの、この後どういった行動を起こせばいいのか、私はわからなくなった。
静寂が訪れる。
だが、そんな静寂を前に、先に意識を回復した彼がそれを破った。
雄二「こんなとこで油を売っていていいのか?友人を待たせているんだろ?」
リゼ「あ、そ、そうだな、早くシャロと合流しないと。……って、さっきとんでもない誤解を受けたばかりだぞ…。どんな顔して会えばいいんだ」
雄二「試しに、変顔で
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