第一話 そんな護衛で大丈夫か? 大丈夫だ。問題しかない。
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いう事を。
(あいつまさか、全部ワザとか!?)
そう思うと、どうにも油断ならない。何故身辺を警護し安心を与えるはずの護衛に、こうも精神をすり減らされなくてはいけないのだろうか?
あそこで断っておけば、などと益体のないことを考え始めたが、あの場ではYESがベストの回答だという自分自身の冷静な部分と現状を嘆く自分が干渉しあい、堂々巡りになりそうなのでやめておいた。
先生「はい、それでは風見君の席ですが……丁度、天々座さんの隣の席が空いていますね」
リゼ「え?」
ふと、隣の席を確認すると、先程まで何もなかった私の席の隣に真新しい学習机と椅子のセットが既に設置されていた。
先生「天々座さん?どうかしましたか?前からその席は空席でしたが?」
リゼ「いえ、何でもありません……」
先生「それと、あなたには彼のお世話係を任せたいの。彼がここになれるまでの間でいいの。頼まれてくれるかしら?」
リゼ「え、あっはい」
その瞳には、有無を言わせぬ光が宿っていた。
(逆らったら殺られる!?)
厳しい訓練を積んできた私が、気圧されている事実に衝撃を受けながらも私は自然と首を縦に振っていた。
クラスメイトB「お世話係なら、クラス委員であるこの私が引き受けますわ!」
クラスメイトA「私だって保健委員だもん。クラスメイトのお世話をする義務がある」
クラスメイトC「よろしい、ならば戦争だ」
ワタシヨ! イイエワタクシガ! ワーワーガヤガヤ……
先生「風見君のお世話係は、天々座さんに決まりました。イイデスネ?」
クラス一同『アッハイ』
またもや有無を言わせぬ口調と瞳の光で、クラスを鎮めた。
これが、このお嬢様学校の現役教師の実力だ。
先生「それでは、一時限目を間もなく始めます。授業の準備をしてください。あ、早速ですが天々座さん彼に今やっていいる範囲についての簡単な説明と、教科書がまだ届いてないので、見せてあげてください」
リゼ「わ、分かりました」
先生「では、始めましょう。号令をお願いします」
キリーツ、レイ オネガイシマス
こうして、風見雄二はこの学園での生活をスタートさせた。
〜昼休み〜
リゼ「お前、ちょっと来い」
雄二「なんだ?体育館裏か?見取り図的にはそこが一番人目につかない場所のようだが」
リゼ「いいからさっさと来い!」
私は声を潜めながらも、語勢を強くして彼を教室の外へ連れ出した。
後ろから「抜け駆けよ!」という声が多数聞こえたが、この際そんなことは些事だと捨て置く。
リゼ「ここまでくれば大丈夫だろう」
教室から離れ、掃除用具の倉庫まで来た。昼休み、ここに近づ
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