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ご注文は護衛ですか? 
第一話 そんな護衛で大丈夫か? 大丈夫だ。問題しかない。
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む、そうだな……強いて言うのであれば、一人の女の為ならばこそ、というのが適切だな」


きゃぁあぁあああああああああああああああああああああ!!


(間違っちゃいないが、その言い回しはとてつもなく不適切だぁああああああ!!!!!)


クラスメイトB「ではでは、その子はうちの生徒ですの?」

雄二「ああ」

クラスメイトA「うちのクラスですか?」

雄二「肯定だ」

クラスメイトD「どの列ですか?」

雄二「俺から見て、一番右の列だな」


(これは不味い、非常に不味い)
私の席は右端の列、最奥。教室の端だ。
その教室の端っ子でどんどん狭まりつつある包囲網を前に、私は背中に冷たい汗をじっとりとかいていた。
冗談じゃない。
『お 嬢 様 学 校 に 転 校 し て き た 学 校 唯 一 の 男 子 が 、私 の 護 衛 で あ る 』なんてことが知れた日には、瞬時に学校中に、ひいては町中に広がり、動物園のパンダ状態となり後ろ指をさされ、『聞きました?奥さん。あの子、護衛なんて連れているらしいわよ?しかも、女子高なのに学校にまで連れ込んで』『まぁ、これだから最近の若い子は……!!』なんてことはになるかもしれない。いや、先ほどの黄色い声を聞けばそうなるのは火を見るより明らかだ。
それだけは、避けねばならない。私が普通の女の子として過ごしていく安寧の日々の為に。
(な、何とか、何とかしないと!?……そうだ!新しい話題でこの話題から興味を移させよう)


リゼ「しゅ、趣味は何ですか!?」


私は絶対に失敗は許されないという恐怖に背中をせっつかれて盛大にテンパりながらも、何とか話題を逸らそうと他のジャンルの質問をぶつける。
テンパっていたのになかなかいい球を投げたと、私は自画自賛した。


雄二「趣味というほどではないが、本はよく読む。ジャンルは…特に気にしたことはないな」

(よし……!!)


何とか話題を逸らすことに成功し、私は内心ガッツポーズを決める。
だが、


クラスメイトD「それで、その子の名前は?」


(ダメだった!?…………ああくそう、さようなら。私の普通の学校生活……。短い付き合いだった……願わくば、普通に、かわいいと、言われて……みたかった……ガク)
私は絶望し、机に突っ伏す。
私の視界の端が何かでにじみ、視界から光が消え失せようとしていた。
だが、


雄二「流石にここからは個人情報となる。当人の許可なくしては、容易に口を割ることはできないな」


そう言って彼はフッと口元を緩める。それを一種のサービス勘違いしたクラスメイトたちは、更に黄色い声を上げる。
だが、私は見逃さなかった。彼が一瞬こちらを見てから口元を緩めたと
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