プロローグ
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与え、あくまでその任務という建前で彼には卒業まで普通の学園生活を送ってもらうことにした」
リゼ「何故形だけの護衛なのかは理解した。でも、なんでわざわざ私のところなんだ?他にも学校は腐るほどあるだろう?」
リゼ父「ああ、本来なら元帥の一人娘の学園に入れてやるのがしかるべきなのだろうが、残念ながら彼女の学園は女子高だ。更に運の悪いことに、彼と同い年の子供を持ち、尚且つ、その子がとある条件を満たす学校通っている、という軍人が軍の中で十数名ほどしかいなくてな。どうすべきか揉めたのだが…結局、くじ引きになった。で、だ」
なんてしょうもない、と思いつつもそれでさらに揉め事が起きて足並みが乱れては笑えない。そんな顔で親父は言った。まあ、ここまで推理の材料が用意されているんだ。もう、答えは一つしかない。
親父は、一呼吸おいて、
リゼ父「くじ、当たっちゃった」
予想通りの答えを、口にした。しかも、軍人にあるまじき超軽い態度で。
リゼ「いや、私も女子高なんだが……」
リゼ父「いや、何事にも例外はつきものだしな」
リゼ「じゃあなんで元帥の娘の学校にしなかったんだよ!?」
リゼ父「あそこはほら、軍の圧力とか効きにくいから」
リゼ「うちの学校は何とかなるような言い草だなおい……」
リゼ父「知らなかったのか?あの学校、母体は我が軍関係だぞ」
リゼ「……おおう」
またもや衝撃の事実だった。
という事は、とある条件とやらは、軍が学校の運営に関与しているか否かといったところだろう。
であれば、それらの条件を備えた軍の関係者は確かに数が限られてくる。だが、だからといって、そこで見事くじに当選してくる、この親父の無駄な幸運を恵まれない子供たちに分配しなおしてほしいところだ。
かなりのところまで追い詰められた私に、親父は、
リゼ父「それにこれは元帥直々の行動だ。それに今更異議を唱える、などという事をしては後々の関係維持に支障が生じるかもしれん」
リゼ「だ、だが」
リゼ父「最も、お前が嫌だというのであれば、この話は彼には悪いがなかったことにしてもらおう。お前の意志を、私は尊重する」
このタイミングでその発言は、多分確信犯だ。私が、断れないという状況をあえて作り出している。
元帥たってのお願いとあらば、逆らうことは許されない。先程言った通り、くじに参加し、当選した後にわざわざ辞退するなどという不祥事をやらかせば、元帥の面目は丸潰れ。印象は最悪だ。
リゼ「……」ジー
隣に立つ彼を横目で観察するが、自分の境遇に対して話し合われているのに、まるでご近所の井戸端会議を聞き流しているかのような態度だ。
彼的には、別に
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