23.君の希望を僕にくれ
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エアリーの事を知ってる人が現れて驚いちゃって」
「では、やはりあなたが……!」
「そう!エアリーこそがクリスタルの精霊よ!そしてこっちにいるのが協力者のティズ!」
「えっ………?」
クリスタルの精霊の存在に安心する間もなく飛び出したその言葉に、アニエスはかちんと固まった。
エアリーの横にいるのが――ずっと生死の境をさまよっていた儚い少年が、精霊に選ばれた存在だというのか。別に熱心なクリスタル正教の信徒でもなんでもなさそうで、しかもごく最近まで寝込んでいたこの孤独な少年が……?
しかも、正式な風の巫女である自分を差し置いて、しれっと隣に?
………なんで?
「あ、あなたが精霊の協力者……?どういうことですか!な、納得いきません!!」
「ええっ!そ、そんなこと言われても………」
妙に理不尽な思いに駆られて詰め寄るアニエス。
いきなり迫られて答えが浮かばないティズ・オーリア。
二つの光の出会いは、なんとも風情に欠けるものだった。
= =
大陸最北端の厳高地、エタルニア公国。
その戦闘訓練場では、いつも以上の気迫に溢れた声が響き渡っていた。
「やあああぁぁッ!!」
「むっ!!」
「せいッ!!はッ!!ぃやあああぁぁッ!!」
気合の籠った声と共に繰り出される太刀の連撃が次々に相手を攻めたてる。
刀と刀が激しい火花を散らしながら空間を駆け巡った。
攻める側――イデアの連撃に受ける側のカミイズミは小さく冷や汗を流す。
この約一週間で彼女の剣の才能が爆発したのか、太刀筋が今まで以上に洗練されている。
(……まるで1週間前とは別人だ。一度決めると一直線……この行動力はブレイブ譲りだな)
あの日ブレイブに「試す」と言われてからというもの、イデアは爆発的な行動力で今まで以上に剣の技術を吸収していった。まず手始めとばかりに『騎士』のアスタリスク所持者ハインケルに無理やり頼み込んで猛烈なまでに模擬戦。激戦の末にアスタリスクなしで『騎士』のスキルや技をいくつか習得してしまった。
次に目をつけられたのが偶然エタルニアに戻ってきていた『海賊』のアスタリスク所持者バルバロッサ。見ているこちらが怖くなる猛烈に泥臭くて豪快な模擬戦が続く。途中かなり吹き飛ばされていたが、甲斐あってかイデアはここでも『海賊』の技の一部を我流アレンジながら習得。この時点で4日経過だ。
そして二人と戦ったうえでイデアは初心に戻り、今度は猛烈にカミイズミと剣術訓練。肉体疲労を少しでも早く治すために最近は治癒波動を放つ『白魔導ケーブル』の上に寝袋を設置して寝る徹底ぶりである。
流石に女の子としてそれはどうなのかという話になり姉弟子である『ヴァルキリー』のアスタリスク所持
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