十八話:高町家と日常
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「ヴィヴィオは私が育てた」
「私もだよ、フェイトちゃん」
「私はみんなに育てられたよ」
何と言うかこの一家は見ていて微笑ましい。
キリッとした表情でフェイトさんが言うとなのはさんが笑顔で続いて最後にヴィヴィオちゃんが苦笑いで続く。
……あれ? どっちが大人だっけ? まあ、気にしても仕方がないな。
「それはそうとどうしてリヒターさんが居るんですか?」
「お金を返しに来たのとお礼かな。お菓子を持ってきたから後で食べてくれると嬉しい」
「本当ですか? ありがとうございます!」
ニコニコとした表情でヴィヴィオちゃんがお礼を言ってくれる。
ああ、やっぱりこの位の年の子は癒されるな……。
「ねえ、リヒター君。ジークリンデちゃんの弱点って何かな?」
「基本的にノーコメントでお願いします、なのはさん」
「ちぇー」
最初から冗談のつもりで聞いたのであろうがなのはさんは悪戯が失敗した子供のようにむくれている。
相変わらず一児の母とは思えない若々しさで可愛らしいが抜け目がない。
流石は戦技教導官といったところだろうか。
「じゃあ、リヒターはどっちが勝つと思ってるの?」
「勿論、ジークですよ。フェイトさん」
「でも、アインハルトさんだって負けませんからね!」
「格の違いを見せてやろう! と、言うっても戦うのは俺じゃないけどな」
軽く笑いながらヴィヴィオちゃんに冗談を返す。
なんというかこの家は暖かい。出来る事ならいつまでも居たいと思ってしまうほどに。
だからだろうか、つい口が軽くなってしまったのは。
「そうだ、ジークの弱点じゃないが苦手な物なら一つ教えられるぞ」
「ほ、本当ですか!?」
目を輝かしてズイッと身を乗り出してくるヴィヴィオちゃん。
思わずなでなでしたいという欲望に突き動かされそうになるがそこは後ろで少し凄味を出したなのはさんが怖いのでやめておく。
ジークの苦手な物はあれだ。かつて我が家を壊滅に追い込んだ奴……そう。
「ゴキブ―――」
「言わせないよ!」
何故かフェイトさんが俺の頭に優しくチョップをしてくる。
やっぱりこの人は良く分からない。
「あ、あれは確かに恐怖の存在かもしれないね」
「………この前お店で本物そっくりのあれの人形を見ました。つまりあれを大量に買ってアインハルトさんが投げつければ…!」
「待ってヴィヴィオ! それはもはや犯罪行為に等しいよ!」
恐れ戦くなのはさん。何気にえげつない手を考えるヴィヴィオちゃん。
そして、そんな娘の蛮行を必死に止めようとするフェイトさん。
まあ、ジークのことだから投げつけてきた奴ごとガイストで葬るだろうけど。
因みに言うとだ―――
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