十八話:高町家と日常
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それとどうして私がお嫁さんじゃないのかは教えてくれるかな?」
真顔の俺に対してまたもツッコむなのはさんだったが途中で自分が男扱いされていることに気付いて若干怖い顔で問いただして来る。
ヤンデレ化しそうになったジークよりも迫力があるので慎重に言葉を選びながら答える。
「ぶっちゃけ、言動全てがカッコイイからです。なのはさん」
「う、嬉しいけど何だか複雑……私女の子なのに」
「どちらかと言うと女性では?」
「……良かったね、リヒター君。今のセリフ、少し違う言い方だったら大変だったの」
どうやら女性に年齢が上だと言うのはご法度らしい。
ジトリとした目を向けられて背中から冷や汗が止まらない。
蛇に睨まれた蛙の気持ちが少しわかったような気がする。
「でも、なのはは昔からカッコよかったよね」
「もー、フェイトちゃんまで!」
「聞いてよ、リヒター。私達が仲良くなったのも全力でぶつかり合ったからなんだよ。戦いの果てに二人の心は通じ合ったんだ」
「間違ってないけど、誤解を招きそうな言い方はやめて!」
ちょうどお茶を淹れ終わったフェイトさんが戻ってきて笑いながらちゃちゃを入れてくる。
始めは恥ずかしそうに顔を赤らめていたなのはさんだったが話が細部に及ぶと必死になって止め始めた。
残念そうなフェイトさんをよそに俺はその光景を想像する。
死力を尽くして戦いあった後にお互いの想いを伝え合う……なんて少年漫画的な熱い展開なんだ!
異性同士なら普通にヒロインが落ちそうだ。もちろんヒーローはなのはさんだ。
「ただいまー! あれ、リヒターさん?」
「お帰り、ヴィヴィオちゃん」
そうこうしているうちにヴィヴィオちゃんが帰って来た。
負けて落ち込んでいるかもと思ったがどうやら自分で立ち直ったみたいだな。
やっぱりなのはさんの娘だな。
「ヴィヴィオは私の娘でもあるよ」
「そうですね。それとさりげなく心を読まないでください」
「分かるよ……お母さんだもの」
「それは、ヴィヴィオちゃんに言ってあげてください」
フェイトさんは中々愉快と言うか天然な性格らしい。
見た目のギャップと相まってきっと男の心をつかんで離さないんだろうな。
因みに俺は別に掴まれていない。あのおっぱいは掴んでみたいが。
「ヴィヴィオ、今日は何していたの?」
「今日は三人でアインハルトさんの特訓に協力していた―――あ」
なのはさんの質問に途中まで答えかけていたヴィヴィオちゃんだったが俺を見て口を噤んでしまう。
対ジークへの戦略がばれることを恐れてなのか、それとも対戦相手の前では失礼だと思ったのか。
まあ、ヴィヴィオちゃんのことだから後者だろうけどな。
相変わらず良くできた子だ。
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