別離
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は異なるが俺やジャンゴ達が住んでいた土地でもある。こちら側の世界が暗黒物質に汚染されていないと知ってから常々、一度は来てみたいと思っていたんだ。マンハッタンのフェデラルホールやエンパイアステートビルのように、アメリカには多くの見所がある。それと、アメリカの通貨は円じゃなくてドルだが、暗黒カードから両替で引き出せるから全く問題ない。
「むにゃむにゃ……おかわりぃ〜……」
「…………はぁ」
レヴィの寝言を聞いて、一気に力が抜けてしまう。が、それでいいのかもしれない。本当なら次元世界全体が危機的状況なのだが、俺達の間には世界の危機を感じさせない、至極和やかな空気が流れていた。今は……今だけは、この小さな平和を噛み締めておきたい。これが俺に与えられた……最後の平穏なひと時となるかもしれないのだから……。
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〜〜Side of フェイト〜〜
今朝、リンディさんからいきなり重要な報告があるって言われて、私の他にアルフ、なのは、はやてとヴォルケンリッターといった魔法関係者全員がアースラの艦長室に集められた。なお、恭也さんや士郎さんは管理局の関係者じゃないという事で呼ばれず、母さんは勤務先の技術室からモニター越しで会話が届くようになっている。それで姉さんもそこにいるんだけど……昨日の夜から何かを感じているのか、ずっとそわそわしてて落ち着かない様子でいた。
「とりあえず……これで全員集まったわね?」
「一昨日の置き手紙でリインフォースとサバタ兄ちゃんが出かけとるから、二人はおらんけど。でもわざわざこの面子で集まるなんて、通信や念話を介してる場合じゃない程の事なんですか、リンディさん?」
「ええ……それも超重大の報告よ。私達のよく知る彼が……サバタさんが……」
「サバタさんが……どうかしたんですか?」
「なのはさん……皆も落ち着いて聞いて。……本日未明、時空管理局が暗黒少年サバタを、SSS級討伐対象として指名手配しました」
「え……!? ちょっとリンディさん、性質の悪い冗談を言わないで下さい! お兄ちゃんが討伐対象だなんて、おかしいじゃないですか!!」
「そうだよ! サバタはこれまで何度もフェイトや皆を守ってきたじゃないか! それが一体どうしてそんな事になってるんだい!?」
突然知らされた意味不明な報告に、私とアルフはたまらず非難の声を上げ、はやて達も同様に怒りを示していた。私達に道を示し、愛を注ぎ、前に進むために背中を押してくれたお兄ちゃんが殺される筋合いなんて全くない! それなのに管理局がお兄ちゃんを殺そうとするなんて……! どうして……! 私達が進もうとした道は、お兄ちゃんと決別するために選んだんじゃないのに!
『リンディ……原因は暗黒物質ね?』
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