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リリなのinボクらの太陽サーガ
別離
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忘れですか? 私が世紀末世界の出身であることを。私が使える力はあなた達の知る魔法以外にもあるのですよ。それでは健闘を祈ります』

その言葉を最後にプツンッと通信が切れ、モニターが砂嵐を表示する。直後、魔法陣の展開がない転移魔法によって、アースラのブリッジに淡い金髪の少年が頭や身体中に包帯を巻いた姿で現れた。

「ッ……まさか、たった一回の転移でアースラまで送るなんて……さすがエレンさ……ん……」

ドサッ。

「ゆ、ユーノ君!」

「急いで彼を医務室へ搬送して! まだ彼は動ける状態じゃないわ!」

来た直後にユーノが倒れたことで、途端にブリッジ内が騒がしくなる。とりあえずシャマルや医療スタッフによって医務室に運ばれていった彼だけど、あんなボロボロの状態でも来ようとしたのは一体どうしてだろう?

ともあれアースラが味方部隊と合流するためにミッド中央区へ飛行している内に、私達はラジエルから通信障害の中でも何とか送られてきた映像記録を見てみる。そこには私達がこれから戦おうとしている相手がどういう存在なのかを、ありのまま映し出していた。

周囲にニダヴェリールの破片……崩壊した世界の欠片が漂う虚無の空間の中で、大きく鳴動している巨大な卵。鼓動がするたびに卵は元に戻っていくかのごとく巨大化していき、戦艦ぐらい大きくなった時、卵の殻が割れて孵化し始める。中から這い出ようとしている灰色の化け物……それは人間はおろか、全ての生命がヤツの姿を見た瞬間、絶対かなわないと……倒せる相手じゃないと本能でひれ伏してしまいそうな威圧感を伴っていて、この場にいる全員、否が応でも背筋に寒気が走った。

「ちょ……まだ大きくなるって、これギガヤバくねぇか?」

ヴィータが思わず発した言葉を否定できる者はいなかった。そして私達が固唾を飲んで見守る中…………ファーヴニルが完全に卵から出て全身を私達の目に現した。

Hyuuuuuuuuuuuuuu…………!!!

ただの呼吸音とも雄叫びとも言えるような静かな唸り声、それだけで空気が無いはずの次元空間が震動してしまうほどだった。今の状態でもアースラの倍もある巨大な化け物……そんなヤツから見れば人間なんて米粒以下に感じられるだろう。目にするだけで漂う、人知を超えた存在。敵対する者には抗う事が全くの無意味だと思わせる程の体格に、背中に生えている力を内包した眩いレアメタルの角、生半可な攻撃では傷一つ付かなそうな金属質の鈍い輝きを放つ表皮、左右中央合わせて13個もある複眼、戦艦を丸ごと一飲みに出来る口、太古の翼竜を思わせる肉質の翼。私達が前に戦った絶対存在ヴァナルガンドとは何もかもが異なっていた。

「これが……完全覚醒したエターナルなのか!? なんて大きさなんだ……!」

「ラタトスクの姿が見えない
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