別離
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す、と書いてあった。
リキッド……あいつ、いらない在庫を押し付けてきたな。しかし俺には暗黒剣があるから、別の剣を手にする気はない。マキナは“レックス”のハンドガン形態で十分近接戦は対応できるし、レヴィの“バルニフィカス”は元から近接武器だ。となれば、ここにいる面子の中で唯一武器を持っていないシャロンに渡すべきだろう。と言っても自衛のために一応持たせはするが、彼女に使わせる気はさらさら無い。血で汚れるのは俺一人で十分だ。
「シャロン、少し話がある」
「話? どんな内容なの?」
「内容自体は単純だが、おまえにとって重要な話だ。……シャロン、この刀を身に付けておいてくれないか?」
「か、刀……!? なんでそんなものを…………もしかして、私も戦えと言いたいの?」
「そうじゃない。単にもしもの時に備えて、自分の身を守れるように持っていてほしいだけだ。別にシャロンが自ら戦う必要は無いし、戦わせるつもりもない。それは俺の役目だからな」
「サバタさん……でも……」
「確かに普通は武器を持つ事に抵抗を抱いて当然だ。しかし万が一という事もあるし、追い詰められた状況で抵抗する力が無ければ、敵に良い様にされてしまう。今の俺達は管理局に追われる身だから、もし捕まればどうなるかわからない……いや、“裏”の事も考えると間違いなく殺される。そんな事にならない様に、せめて護身用に持っておくだけで良いんだ」
「そっか………そう……だよね。次元世界のどこにも私達の居場所は無い……この避難所しか身の拠り所が無い。だから身を守る力が必要なんだよね……」
目を閉じて今の自分達の状況を改めて理解したシャロンは、しばらく俯いてから一つの決意を固めた表情で刀に手を伸ばし、しかと受け取ってくれた。だが心優しい彼女に武器を渡す事に、俺も少なからず罪悪感を抱き、シャロンの身を守ってくれる何かを渡しておかないと気が済まなかった。何かそういう代物を持ってなかったかな…………、……あった。
「シャロン、これをやる」
「これは……お守り?」
「とある巫女から貰った、渾身の一品だ。かなり強力な神力が込められていて、悪運の強い俺も随分世話になった。きっとシャロンの身を守ってくれる」
「そんな大事な物を……ありがとう。絶対、大切にする……!」
両手でお守りを包むように握り、シャロンはニダヴェリールを出てから初めての笑顔を見せてくれた。少しでも彼女の心を落ち着かせる事が出来たか……。
さて……今後もここに身を匿うためにも、通信で話したリキッドとの契約を果たさなければならない。と言っても次元世界や魔法の情報を送るだけなのだが、どうせなら後でこれらも送っておこう。ニダヴェリールのヴェルザンディ遺跡最深部で見つけた太陽結晶……DA
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