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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン30 鉄砲水と移動砲台と侵略者
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ゲームから除外し、融合召喚!来い、VW−タイガー・カタパルト!」

 VとWが合体を解除して螺旋を描くようにぐるぐるとまわりながら上空へと駆け上り、はるか高くで1度光を放ったかと思うと再び合体して地上に降りてきた。一見すると何一つ変わっていないように見えるが、少なくともさっきまでくっついていた「A」細胞の姿はもうそこにはなかった。

「甘い!トラップ発動!」
「なに、奈落の落とし穴だと!?」

 せっかく融合合体したマシンも、奈落に引きずり込む落とし穴の前には無力だ。さっきまでの活躍が嘘のようにあっさりと消えていく融合モンスターを一瞥して、すぐに次の手を打つ。

「ならば、モンスターを1体セットだ。そしてバトルフェイズ、ゼクスで裏側のヤガンに攻撃!」
「ヤガンの守備力は1800のため破壊されず、さらにヤガンが表になった時相手モンスターを1体手札に戻す」

 ワーム・ゼクス 攻1800→??? 守1800

 どことなくYの字のシルエットをした黄色いワームが、ゼクスの噛みつきを辛うじて払いのける。だが万丈目の目に慌てた感じはない。それどころか、笑ってさえ見せた。

「そんなことはわかっているさ、だがこれでヤガンの効果は使わせた。さあ、どちらのモンスターをバウンスする?」
「何?」
「俺は今、ヤガンの効果を承知したうえでこのモンスターをセットした。この意味をよく考えてから、バウンス対象は選ぶことだ」

 なるほど、これはえげつない精神戦だ。万丈目の言葉が単なるハッタリなのか、それともあの伏せモンスターがリバース効果持ちのカードなのか。僕にもその本当のところはわからない。やがて迷いながらも、野中……に憑りついた何かがモンスターのうち片方を指さす。

「帰って来い、ゼクスよ」
「なるほど、俺のモンスターを残す方を選んだか。まあ構わん、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 果たしてこれが吉と出るか、凶と出るか。ただ次のターンプレイヤーである中野に憑りついた奴にとっては、こういった複雑な読み合いはあまり好きではないらしい。

「ドロー」

 スタンバイフェイズにはなったが、こちらのフィールドに表側モンスターが存在しないため増殖装置の蓋は開かない。筒の中でもぞもぞと先ほど見た細胞がうごめいているのを横目に見ながら、ソルジャーに次ぐ2体目のエーリアンがヤガンの隣に現れる。

「召喚、エーリアン・ウォリアー。ヤガンも攻撃表示に」

 灰色の体をした筋骨隆々のエーリアン。剣を使うソルジャーとはまた違った、いかにも格闘戦士という見た目である。

 エーリアン・ウォリアー 攻1800
 ワーム・ヤガン 守1800→攻1000

「ウォリアー、ヤガンで攻撃」
「むっ、恐れずに突っ込んできたか。これはどうし
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