ターン30 鉄砲水と移動砲台と侵略者
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それぞれが攻撃、妨害、回復の3つの要素を担当して襲い掛かるコンビネーションはなかなか強烈で、夢想がいなくちゃ僕も危なかった覚えがある。ただまあ所詮は3人1組で強い若干インチキ臭いデュエルスタイル、裏を返せば1人1人はそれほどでもなかった。しかも、今はそのうちの2人しかいないわけだしね。
「光の結社を裏切ったお前に呼び捨てにされるいわれはない!そうか読めたぞ、このへんてこなものもお前らが作ったんだな?」
「前回は不覚を取ったが、今はあの化け物女はいない!今すぐここでぶちのめして俺たちも光の結社幹部コース入りだ!行くぜ、中野!」
「もちろんだ!デュエルディスク、起動!」
「フン、相変わらず人の話を聞こうともしない奴らだ。前々から鬱陶しかったが、味方でなくなるとここまでとはな。ここらでお灸をすえてやろう。おい清明、タッグデュエルで片を付けるぞ」
「そーだそーだ、だいたいレッド寮にこんな大それたもん作る金があるわけないじゃない!………まあいいや、それじゃ、タッグデュエルと洒落込もうかね」
そう言いつつ、万丈目に合わせてさっとデュエルディスクを起動する。やっぱりデッキだって実戦じゃないと見えてこないこともあるよね。
その様子を見て、起動とか言っておきながらデュエルディスクを動かさなかった2人もワンテンポ遅れて2人もデュエルディスクを起動した。だけど、その様子がおかしい。なんだか2人とも体中が小刻みに震えていて、表情もさっきまでのやかましいながらに元気そうなものから一転してぼんやりした無表情になっている。そもそも、この時期の学生にしては異様に起動の動作がぎこちない。まるで、今初めて見たものを見よう見まねで動かしているかのような。
その違和感は万丈目も覚えたらしく、いささか不気味そうに2人の方へ視線をやる。その一瞬だけで、『彼ら』には十分だったのだろう。足元が何かひんやりしたものに包まれた、と思ったらあれよあれよという間に全身が氷のような寒気に包まれていく。せめて万丈目に警告しようと思ったけど、それすらもできない。僕の体なのに、完全に僕の物ではなくなってしまったようだ。
仕方がないので最後の手段としてチャクチャルさんに心の中で通信を、としたところで、普段聞きなれたチャクチャルさんとは違う声が頭の中に響いた。
『すいませんすいませんっ、いやほんと申し訳ないです!ごめんなさいごめんなさいそこの人、すぐ済みますからここは大目に見てください〜!』
あ、いい人(?)だ。声を聞けば分かる、間違いなくこれは悪人(?)じゃない。少しだけ警戒心を解くも、それでも体が動かないことに変わりはない。とりあえずコミュニケーションが取れることが分かっただけでもよしとするか。
「(えっと………どちら様で?)」
『ごめんなさい申し遅れました、わたし
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