暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第107話 眠れる森の姫
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事態が少なからず興味をそそるのだ。

「さっ! 行こっ!」

 レイナはリュウキに手を伸ばす。……レイナは、ちょっと気になることもあったんだ。

 それは、≪子供≫と言うワード。

 その……倫理解除コードがあるんだから 子供だって……と。この世界で……、結ばれたんだから、2人の愛の結晶である子供を授かる事が出来たらどれだけ幸せだろう……と。

(ッッ!!! わ、私ってば何をっ///)

 レイナは、ぼひゅっ!!っと顔が一気に紅潮する。火炎ブレスどころか……、火山噴火……太陽の紅炎が顔に直撃した様な…。そんなの喰らったら死んじゃうけど、悶え死にそうになっていた。

「……ん? どうかしたか?」

 リュウキは突然止まったレイナにそう聞く。

「やっ! な、なんでもないヨ? 早くイコっ!」

 そそくさとレイナは飛び出した。リュウキに今の顔を見られないように。自分でも、明らかに真っ赤に茹で上がっているのが判るから。

「?」

 リュウキは勿論わかっていなかった。

 そして、場所はキリトとアスナの住むログハウス。
 
 2人は森で出会った少女。
 厳密に言えば、森の中で倒れた少女を見つけ保護したらしい。ここ、SAOでは心臓の鼓動や呼吸を感じ取る事は出来ない。人間の生理的現象の殆どの再現が省略されているのだ。自発的に息を吸い込む事は可能で気道を空気が動く感覚はあるが、仮想体自体は無意識呼吸を行う事は無い。既に心臓の鼓動も緊張したりしてこうしてドキドキすると言う≪体感≫はあるものの、他人のそれを感じ取る事はできないのだ。

「でも、消滅してない……ってことは生きてるって事、だよな」
「う、うん……、こうして家に移動させられたからにはNPCじゃないみたいだし」

 ベッドに寝かせている少女。
 何度目を凝らしても、カラー・カーソルが出現しないのだ。この世界では、通常 存在し動的オブジェクトならプレイヤーだろうが、モンスターだろうが、NPCだろうがターゲットした瞬間に必ず表示されるのだ。

 何かのイベントならアイコンが出現し、クエスト謳い文句の文章も表示される。それが何も無いんだ。ただ、見ているだけでは生きている,くらいしか判らない。

「……リュウキなら何かわかるかもしれないな。アスナ、いい判断だ」
「あ……ははは。慌ててメッセージ出したから、ちょっとおかしい文になっちゃったけどね」

 アスナはキリトにそう言われて苦笑いをしていた。
 このシステム的な異常な事態には、彼の助言は頼りになるのだ。キリトは負けず嫌いと言えば、負けず嫌い。ゲームの世界ならば基本的にどんなプレイヤーでも根っこにはその感情がある。だが、リュウキのそれに関しては、完全に上と自分の中で認めているんだ。
 
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