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優柔不断な短編集
妄想恋愛物1 『一目惚れ』
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「……お前、妙な時に強気だよな」


 はぁ、と友人は急にため息をついて言う。そして全て食べ終えた弁当を手早くしまい、席を立った。


「元はと言えば、お前の恋愛だ。告る告らないはお前の自由だしな。俺はこれ以上口出ししねぇよ」


 彼の席は俺の席からだいたい二つ程右斜め後ろの場所にある。そうなると自然に俺の横を通ることになるのだが……
 「最後に一つだけ」と言って彼は顔を耳元まで近づける。


「彼女、好きな人≠ェいるらしいぜ?」


 え…? と思った瞬間には、彼は既に自分の席に座って弁当を片付けようとしていた。
 さっきの言葉の真意を知るべく席を立とうとしたが、次の瞬間チャイムが鳴り先生がやってきた。今ここで立つ訳にはいかないから、俺は席に座るしかなかった。

 その後授業が終わった後に聞いても、はぐらかされるだけで何も言われなかった。

 そして次の授業は理科科目。それぞれが別の教室に移動しなければならない。
 友人とは別れてしまうが、逆に彼女とは同じ科目。つまり移動時に一緒になれる。


「あ、あの…!」

「……? わ、私に用事?」


 まぁやると決めたからには―――


「……放課後、時間ありますか?」


 ―――当たって砕けろ、だ。













 

 で、結局時間は流れ、放課後。

 空き教室を集合場所にして、約束の時間まで十分前。
 多分彼女はまだ来ていない。女の子を待たせるのはやっちゃいけないと散々言われてきた所為か、早く来てしまった。

 まぁ、緊張とかで待っていられなかったってのが本音なんだけど……

 とりあえず扉の前で立っているのもアレなので、鍵が開いていることの確認も兼ねて扉を開いた。


 するとどうだろう―――


「「あっ……」」


 ―――彼女はもう来ているではないか。

 一瞬状況が上手く飲み込めず、理解した時には思わず顔が火照るのに気づいた。


「ご、ごめん! 待たせちまったか!?」

「え? あ、いや、私が勝手に早く来ちゃっただけだから。来たのも三分ぐらい前だし……気にしないで」


 早口になりながら謝罪すると、彼女は顔を少し逸らしながら答えてきた。それならいいんだけど……いや、よくない! 待たせたのには変わりないんだからよくないんだ!


「………そ、それで?」

「……え…?」

「だから…私をここに呼んだ理由を、聞きたいんだけど……」


 ……はっ! そうだった! 彼女をここに呼んだのは、彼女に告白する為だった。危うく本来の目的を忘れるところだった。
 とりあえず気持ちを落ち着かせる為に
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