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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第105話 料理への想いと鼠の初恋
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時行動不能状態となってしまった。
そして、その隙を逃してはくれない。
《The Queen Insect》の目に光りが灯る。それはスキル発動の合図だ。
「し、しまっ!」
――……直撃してしまう!
まだ、こちらの命中率を下げるスキルを当ててないから、ミスをする事は有り得ないだろう。レイナは思わず目を閉じてしまったその時。
ドスドスドス!! と、鈍い音が響く。
「ギィィッ!!」
羽ばたかせてる両の羽、そして胴体部分に、投剣3本が突き刺さったのだ。
「アルゴさんっ!?」
「まったく、もうっ!!」
アルゴの放った投剣スキル “シングルシュート”は、敵のスキルをキャンセルし、更に
増悪値
(
ヘイト
)
をアルゴへと向ける事に成功し、レイナへ向けられていたタゲを外す事が出来た。
「やぁっ!!」
「っりゃぁーー!!」
レイナの細剣とアルゴのクロウが、羽を切り落とし、空に、回避が出来ない、飛べなくさせて。
「レーちゃん! 今だ!」
「うんっ!! やあぁぁぁぁぁっっ!!!」
裂帛の気合と共に繰り出したスキル。
“細剣 最上位剣技”《フラッシング・ペネトレイター》
9連?による目にも止まらない突き。閃光の異名を持つ名に相応しい速度だ。最後の一撃がHitした瞬間……『ギィ、ギィ……』と機械が擦れる様な声を発しながら、その巨体を四散させた。
倒したのを確認したレイナは、安堵感からか地面に座り込んだ。
「は、はぁ……や、やった……」
『まさかここまでの強敵だとは、思ってなかった。』
正にレイナの印象がそれだろう。確かに、アルゴの言うことも頭にあったが、ここは35層であり、前線よりも遥かに下の層なのだから。
「モウ!! ホント、ムチャクチャだヨ!! この件、無料だったけど、料金、発生させるからナ!!」
一息ついていたところで、アルゴから盛大に文句を受けた。……当然だろう、準備も無し、更に情報も無し、人数も少ない。最悪三拍子で、無理に参加させられたも同然だからだ。
……でも、レイナであれば、そのくらいの危機は判ると思えたのだけど。
「あ、はは……ごめんなさい、アルゴさん」
レイナは、謝罪をした。アルゴはその顔を見てとりあえず怒りは抑えて、別の感情が沸々と湧いて出る。
「まぁ……アレだナ。愛のなせるワザってヤツカ?」
「っ……!?」
「でも、リュー相手ダシナー? 恋愛の道は険シイ所じゃ無いゾ? 山道〜どころか、断崖絶壁も良い所ダ」
「うぅ〜〜! アルゴさーーんっ!!!」
「まっ! 余計な仕事を増やしてくれタんだシ、これ位は我慢シテよ! サッ絶壁を登る前にキノコ取っちゃいなッテ」
「うぅ……が、頑張るもん……」
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