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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第105話 料理への想いと鼠の初恋
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「しっ……、何か、何かいるよ」
「んん?」
アルゴは目を凝らすが……特に何も見当たらない。索敵スキルはそこそこ上げているし、この層程度なら、全く問題ないのだが見えないのだ。
「何もないゾ?」
「……聞こえるの」
「滝の音じゃないカ??」
「違う……、これは、羽音の様な……」
レイナが更に目を凝らした先。それは、滝の裏から出てきた。滝のその音に紛れ込ませている様だが、間違いなく出てきた。先ほどの《アーマー・ビー》よりも遥かに大きいもの。
その頭上には、《The Queen insect》とカーソルが出ていた。
「アルゴさん……あのモンスター見た事ある?」
「……いや、無いネ」
情報屋であるアルゴ、そして血盟騎士団であるレイナでも知らない未知のモンスター。その全容が全く判らない。
アルゴは、それを見てすぐに決めた。
「撤退しよウ!」
そう、初見でBOSSクラスの相手をするのは危険が伴う。色んな意味で、リスクが高すぎるのだ。その行動の傾向や、行動パターン、攻撃手段等の全てが判らないのだ。
このデス・ゲームにおいて、情報不足は正に命に関わるのだから。
「クエスト絡みの未知のモンスター、それもBOSSの定冠詞を冠している相手に情報なしで挑むのは危険ダ。例え下〜中層クラスだとしてモ!」
「……でも、あのくらいの大きさならいけそうじゃない?索敵スキルで確認しても、レベルを見る限りじゃ大丈夫そう」
「いや! 駄目ダ!」
「い、痛ッ!」
アルゴは強くレイナの腕を掴み、そして引っ張った。アルゴは、そう言って、この世界で命を落としたプレイヤーを数多く知っている。彼らの殆どは ベテランのMMOプレイヤー。
自身の経験だけでプレイして、引くべき点を見誤ったからだ。
「BOSS攻略ならまだしも、こんなくだらないクエの為ニ、命の危険を冒すなんテ、有り得ないヨ! 撤退ダ!」
「………」
レイナは、黙っていた。だけど……、それは一瞬。アルゴの手をそっと掴むと。
「……くだらなくなんかないよ。私は、私達はこの世界で生きていくって決めたんだ。毎日を精一杯、この世界で。そうと決めた以上は絶対に妥協なんてしたくない。……それに、料理を作ること、誰かに美味しい……って言ってもらえる料理。本当に美味しい料理を作ることは私にとって、とても大切なこと、だから。……だから、お願いアルゴさん!」
「レーちゃん……、って、駄目ダヨ! 2人でなんテ!!」
「アルゴさんっ! わ、私、頑張るからっ!」
「しっかり、準備をして出直そウッ! アーちゃんだって手を貸してクレルだろ? 寧ろ、アーちゃんは、レーちゃん想い何だかラ、コンナ無茶したら、怒られルゾ!?」
レイナはそれを聞いて少し
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