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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第103話 血盟騎士団・リュウキ
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力の木々の向こうに大きく開けた空を一望する事ができるんだ。……ギルド本部のある層、《第55層・グランザム》によくいるから、空をこんなに一望するなんてあまり無い事だった。
あの層は、鉄に囲まれており、冷たいとすら感じる層だから。
「……確かに、な。凄く綺麗だ。……ここが仮想世界だと忘れさせてくれる程だよ」
リュウキはレイナの隣に立った。
「うんっ!」
レイナは隣に立ったリュウキの腕を取る。
「ねっ! リュウキ君、見て見てっ! ほら! 小鳥がいっぱいだよっ! わぁぁ……可愛いなぁ!」
レイナは本当に嬉しそうに指をさした。その指さした先にある木々の枝に止まっている小鳥達。それは数羽いる、小柄な小鳥と一回り大きな小鳥。……親子だろうか?楽しそうに木の枝に並んでおり、そして、子供にエサを与えていた。家族を持つ幸せ、見ているだけでそれを教えてくれるかのようだった。
「ほんとだな。……でも、あまり身を乗り出して落ちるなよ? レイナ。結構ここは、高いからな?」
「んもうっ 大丈夫だよっ!」
レイナは、子供扱いをされてしまった為か、ちょっと赤くさせながらそう言っていた。そしてレイナは景色を見回した。色んな角度から見てみるその風景。何処を見ても色んな発見が出来るから、楽しくて仕方ないのだ。
そして……、多分 この景色 レイナは知っている気がした。
なんだろう……どこでだろう……と一瞬考えたが、今の幸せを噛み締めたかった彼女は考えるのを直ぐにやめた。リュウキはそんな彼女の背に回り……、背後からレイナの身体に両腕を回した。
―――……目の前の愛おしい女性が自分の妻なんだ。
リュウキはそう思うと、冬の陽だまりのような暖かさと同時に不思議な感慨、そして何よりも以前の自分であれば持ち得なかっただろうと確信してしまえるこの感情を得て、一体何処まで遠くへ来てしまったんだろうと言う驚きに似た気持ちが湧き上がっていた。
リュウキはこの世界に囚われるまでは、ただただ只管に、仕事だけをしてきた。
経済的負担は一切無く、そして金銭さえあれば、近代社会では生活も殆ど問題は無いと言える。だから、リュウキは他人とは殆ど関わりを持たず、仕事も電子メールを含め殆どがネット上でのやり取りのみだったんだ。……唯一、関わりを持つのは家族は爺や1人だけだった、彼がいたからこそ、今のリュウキがいるといってもいい。だけど、それ以外の人とは直接的な関わりを殆ど持っていなかった。
それが、あの時からの……自分の中の世界だった。現実の世界で14年生きてきた自分の世界の全てだった。その事を考えたら、今で如何に小さな世界で膝を抱えていたのかと思う程だ。
――……世界はこんなにも輝いていると言う事、それを知れたんだ
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