暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第101話 殺意と純白の天使
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声と共に振り上げたのだ。 ぎゃりいいいんっ! という金属音と共にアスナの右手から細剣(レイピア)が弾かれた。

「あっ……!?」

 短い悲鳴を漏らし、体勢を崩すアスナの頭上でぎらりと金属が輝いた。

「アアアア甘ぇぇんだよぉぉぉ!!! 副団長様よぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 狂気を滲ませながら絶叫と、どす黒い赤のライトエフェクトを撒き散らしながらクラディールは剣を何のためらいも無く振り下ろしていた。

 その凶刃が、アスナに迫るのをキリトは目の当たりにした。彼女に襲いかかるのを。それを見たキリトの視界は、赤く、血の様に赤く染まった。

「う……おおおおおおおああああああ!!!!!」

 次に叫び……吼えたのはクラディールではなく、キリトだった。その瞬間、麻痺の効果時間が解除された。右脚で大地を蹴り瞬時に数mを飛翔。 
 右手でアスナを突き飛ばし、アスナを襲う筈だった剣をキリトの左腕で受けていた。
 
 がしゅ……! 剣を腕で受けた時、嫌な音が響き、キリトの左腕が肘の下から切り飛ばされた。

 HPバーの下に、部位欠損のアイコンが点滅した。それに動揺することも無く、キリトはすぐさま次の行動にでる。右手の五指を揃え……その手刀を分厚いアーマーの継ぎ目へと突きこんだのだ。
 イエローの輝きを帯びた腕が、湿った感触と共に、クラディールの腹を深く貫いた。
 
 カウンターで命中した技。

 “体術 零距離技”《エンブレイサー》

 それは、クラディールの約2割ほどあったHPの殆どを喰らい尽くした。
 残り数mm程度、数ドットのHP。それは第1層のモンスターの攻撃が掠っただけでも、奪われかねないその量。

 それを見たクラディールは、その一撃で自分がもう死ぬんだと錯覚する程だった。
 
 それは密着しているキリトも例外ではない。何故なら、相手の命を奪うつもりで放ったのだから。

「く……くくっ……、この人殺し野郎が……」

 クラディールは薄く嗤う。だが、まだ自分はこの世界に存在しているのが判った。

 死ぬ事など初めてだからだ。体感時間が長く感じるのだろうと、自分の中で結論付け。最後の悪足掻きをしようと考えていた。

「へ……へへ……良い事……教えてやるぜ……。この場所はなぁ……」

 クラディールは薄ら嗤いを更に続ける。呪いで他人を殺せると言うのなら、恐らく彼は殺せるかもしれない。それほどまでに、言葉に怨念を込めながら言っていたのだ。

「この場所は……奴等は知ってる……当然、オマエがここにいる事もな……。今も見てる筈だ……。果たして……片腕であのメンバーを凌ぎきれるかなぁ……? 女を、守れるかなぁ……? くくっ、結末を見れないのが残念、だが、地獄の……3分間……だろうぜ、く
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