ダークマター ~Ninety Five~
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ていた。
因みに、隣でゲームをしていた二人の戦いの模様をチラみしたところ、お互い点数の取りすぎで表示がバグっていた。
「紗由利さんもすごかったです。さすが一人で家事をこなしているだけありますね」
「いえいえ、そんな。あ、想夢。その程度しか食べない様では大きくなれません。なので、お姉ちゃんのご飯を分けてあげます」
さりげなく、異形のソレを想夢ちゃんに差し出す紗由利さん。
・・・たしかにソレはこの世のものとは思えないまさに|暗黒物質とも呼ぶべき姿。
これは私たちが比較的まともな料理を作っていた時、テトリスに飽きた二人が隣で勝手に作っていたものだ。
二人からすれば、これはノリをちりばめたラーメンサラダだとか。
確かに、表面の粘り気を帯びた黒いモノを取り除けば、半ばゲル状になった黄色い何かとなぜかうごめいている緑色の何かがみえる。
しかも、表面の黒いモノでコーティングされていたから、中の瘴気を封印できたいたが、今となってはその外郭は取り払われ、中の瘴気が溢れ出してきた。
この瘴気紗由利さんには見えているらしいが、作った諜報人どもには見えていないらしい。
これはおそらく料理ができない人が料理をできる人へ向けた憎しみの集大成なのだろう。
本来ならばそれは受け止めるべきだが、実際そこまでしてやる義理も義務もない。
よって。
「利英さん、私お腹いっぱいなので食べてくれませんか?」
「えー・・・せっかく作ったのにー・・・。ぶーぶー」
「利英さんの作ったお料理ならまた食べてあげますから・・・ね?」
とにかくこいつを食べると絶対死ぬ。
利英さんは何かとハイスペックだからきっと胃袋もハイスペックなはず・・・!
この見るからに『くったら死ぬぜー?』というフィールを発しているこの物体は即座に焼却処分するべきだが、作った本人たちの前でそれは残酷すぎる。
よって、作った諜報人どもに自分たちがいかに危険物質を作ってしまったのかを理解させることにした。
これに懲りてしばらくは台所に立たせないようにしようという魂胆だ。
「しょーがないなー。じゃあ、いただきまーす!」
「ぐ・・・ふぅ・・・し・・・死ぬ・・・。なんか・・・お花畑が・・・」
「想夢・・・想夢ーーーーー!!」
っく・・・想夢ちゃんにはまだ早かったか・・・。
これは例のアレを食した次の瞬間の場面だ。
想夢ちゃんは例のアレを食した瞬間、泡を吹き、白目をむいて痙攣しながら椅子から転げ落ちた。
で、利英さんはというと・・・
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