入学式
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です・・・」
「なんでそんなテンション低いんだよ・・・」
「だ・・・だってえ・・・」
つい涙目になってしまう。
幼いころはよく泣き虫だのなんだのってからかわれたっけ・・・。
「ちょっと!上本、あんた一年泣かせないでよ!!」
「わ!?な・・・泣かせてるわけじゃねえって!な!?」
私に振ってくるイケメン・・・もとい上本さん。
そっかー・・・上本さんっていうんだ・・・。
「そうです・・・全部私が悪いんです・・・私が・・・」
「あんた!責任押し付けてるんじゃないわよ!!」
「違うって!これは本当に!!」
「おい・・・あいつらまた・・・」
「本当に朝から仲がいいわねえ・・・クスクス・・・」
「!?ち・・・違うんだから!こ・・・これは幼馴染として・・・!って、ああもう!!帰る!!」
幼馴染なんだー・・・。
いいなあ・・・私もそういうの欲しかったなー・・・。
私ひとりっこだし、両親どっか行っちゃうしで大変なのになー・・・。
「・・・その・・とりあえず、もう授業あるから俺も行くから!じゃあな!!」
そう言って爽やかに去る上本さん。
あ、背中叩かれてる。
「ねえねえ、雪菜さん!」
お昼休み。
話しかけてきたのはさっき慰めてくれた女の人だった。
・・・誰だっけ。確か・・・凛堂・・・。
「忘れちゃった?じゃあ、改めて自己紹介!」
そう言って気を付けの姿勢を取る女の人。
「凛堂利英、16歳です!好きな食べ物は海苔!嫌いな食べ物は人参です!!」
えーと・・・海苔が好きで、人参が嫌いな利英さんね。
よし、覚えた。
「えーと・・・それで何の用でしょうか」
「そう!ズバリ、私はあなたと一緒にひるごはんが食べたいんだよ!!」
「は・・・はあ・・・」
そんなことだったんだ・・・。
でも、初日だから友達も少ないし、今のうちに作っておくのはいいかもしれない。
「いいですよ。じゃあ、一緒に食べましょうか」
そう言って、私はお弁当を出す。
利英さんは椅子を自分の席から持ってきて、私の机の前に置く。
「わあ!雪菜ちゃんお弁当!もしかして手作り!?」
「ええ、そうですよ。利英さんは?」
「ん?私はこれ」
そう言って取り出したのは・・・海苔・・・。
え・・・それだけ・・・?
しかも、さらっとちゃん付けにされたし・・・。
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