暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第99話 神聖剣 vs 二刀流
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……キリトではなくヒースクリフだった。

 ある意味では、名だけで言えば、リュウキより遥かにこの世界に浸透しているんだ。

「……なるほどな」

 リュウキは腕を組んで壁にもたれかかった。確かにこれまで、共にBOSS攻略をしてきたが、ヒースクリフが危機に陥った所を見たことは無い。基本的にBOSS戦は参加しているリュウキとキリトは彼の事は知っているのだ。そして、同じギルドに所属しているアスナとレイナの2人も、HPが半分以下になったことを見た事無い、と言う以上は その話に嘘偽りは無いのだろう。

 誰しもが、同じギルドに所属しているアスナやレイナでさえ、あの強さはゲームバランスを崩しているとさえ言わしめているのだ。

「まぁ、見てろって。簡単に負ける気は無いさ」

 キリトはニヤリと笑っていた。その顔には後悔も有るようだが……自信も遥かに持っていた。

「ふふ……、アスナの為にも、だろう?」
「ッッ!!」

 キリトはリュウキのその言葉に動揺し思わず何も言わずに、顔を背けた。まさか、この男にそんな事言われるとは思ってもいなかったからだ。

「ふむ……、キリトもアスナと同じような反応だな」

 リュウキはアスナの表情を思い出しながらそう言っていた。キリトはそっぽ向いていてアスナは赤く顔を染めているのだから。本当に似た者同士だ。

 まぁ、その状況になる火種はここの新婚夫婦だ。ある意味では、本当に似た者同士が集まったようだった。

 そんな皆を眺めながら自然と表情を微笑ませるリュウキ。
 そして……

《キリト vs ヒースクリフ》

 その戦いを考える。事、反応速度の領域においてキリトの右に出るものは無いだろう。そして、何よりも、VRMMOでのゲームセンスもズバ抜けているとも思える。以前に聞いた話だが、現実の世界では剣道を少なからずしていたらしい。

 剣の世界であるSAOでも影響しているだろう。だからこそ、敵との間合いや見切り、太刀筋も一級品なのだろう。ゲームのアシストに頼ってない通常攻撃もそう。あのクラディール戦で見せた武器破壊もそうだ。……だからこそ、不気味な相手だが、決して勝てない訳ではない。
 そして、二刀流の破壊力においてもそうだと思える。

 だが、勝てないとは言えなくとも、ヒースクリフのあの神聖剣は、キリトも言うように鉄壁の防御を誇る。何よりも強大なのがあの堅牢な≪盾≫だ。剣が神聖剣なら盾は神の盾といった所だろうか?
 その盾は、ありとあらゆる攻撃を受け止め、ある時は受け流す為……、どんな攻撃も、ヒースクリフ本体まで届かない。

 それは、これまでの各層のフロアBOSSも例外ではなかった。だからこそ、HPが半分も減らないのだろう。直撃(クリーンヒット)を殆どさせないのだか
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