第一章
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ったわね」
「そうだったな、とにかくだ」
「ベートーベンもワーグナーも」
「どっちも同じだけだ」
どちらがより、ではなかった。
「駄目だ」
「そうなのね、じゃあモーツァルトは?」
ハンナは三人目の音楽家を出した。
「あの人は」
「どんな人だったか聞いてるな」
これがグレゴールの返答だった。
「モーツァルトも」
「先の二人よりは遥かにましだ」
その人間性は、というのだ。
「あの二人は敵に囲まれていた」
「敵の代表も凄かったわね」
「ベートーベンはゲーテ、ワーグナーはニーチェだ」
確かに凄い敵である、どちらも。望んでも得られないまでの。
「ニーチェは最初ワーグナーの信者だったがな」
「途中で失望して」
「敵になった、ベートーベンとゲーテは下らない言い合いからだ」
ベートーベンから言い出したのが偏屈な彼らしいか。
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