第五章
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「一戦交えるか?」
「そうしますか?」
「何機だ?それで」
ブロッサムはこの時は相手は一機だと思っていた、悪天候でしかもドイツ空軍の航空機はこれまでの戦いで数は減っている、それでこう考えたのだ。
「一機だろ」
「三機です」
「おい、それはまた多いな」
「この天気でよくそれだけ来ましたね」
「しかもドイツはもう戦闘機もパイロットも少ない筈だがな」
「今のここで、この時間での全力でしょうか」
クローリーはこうブロッサムに自分の考えを述べた。
「ドイツ空軍の」
「連中の夜間戦闘機のか」
「それもこの天気で飛べる奴の」
「昨日の俺達の仕事を聞いてか」
「待ち伏せていたんでしょう」
「ったく、連中も馬鹿じゃないな」
ブロッサムはクローリーの言葉をここまで聞いて舌打ちしてから述べた。
「全力で待ち伏せていたか」
「それでどうしますか?」
「三機一度には無理だ」
これがブロッサムの返事だった。
「つまりだ」
「ここは、ですね」
「逃げますね」
「そうだ、逃げる。しかしな」
それでもとだ、彼は二人にこうも言った。
「追ってきたらやるぞ」
「こっちには回転砲塔もありますし」
「それで撃ってやりますか」
「ああ、その時の為のものだ」
その回転砲塔はというのだ、二十ミリの。
「だからいいな」
「はい、撃ってやりましょう」
「しつこく追ってきたら」
「しかしまずは逃げる」
これがブロッサムの第一の判断だった。
「いいな」
「了解です」
「流石に三対一じゃ相手が悪いですからね」
二人も頷く、そしてだった。
三人が乗るP-61は機首を返して全速力で逃げに入った、当然ドイツ軍の戦闘機は後ろから追ってきてだった。
下からだ、さらにだった。
「高射砲陣地ですね」
「それに入ったみたいですね」
高射砲に対空砲の攻撃が来たのだった。
「数は多くないですけれど」
「見つかってますね」
「見付からない筈がないな」
それは当然だとだ、ブロッサムは機体を全速力で基地の方に向かって飛ばしながら言った。顔は正面を向いていて真剣そのものの表情だ。
「全速力で排気炎もセーブしてないからな」
「ですね、標識付けて飛んでますから」
「見付かるのも当然ですね」
「昨日はそれでもいけた」
相手が夜で雨なので来る筈がないと思っていた昨日はだ。
「だが昨日の今日だとな」
「こうしてですね」
「相手も軽快してきますね」
「戦闘機に高射砲」
「仕留めようとしてきますね」
「そういうことだ、だからな」
それでと言うのだった。
「ここは攻められるのは覚悟のうえだ」
「じゃあ今はですね」
「必死に逃げるしかないですか」
「居場所を知らせても」
「それでもですね」
「そ
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