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Absolute Survival!! あぶさばっ!!
第二話 平和な平凡の終わり
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げながら止まる様子は無い。
―――――――殺される。
琉が本能的にそう思った時には、もう遅かった。
突然夏帆が琉に飛び掛かり、歯を剥きだしにして琉に噛みつこうと掴みかかってくる。
琉は咄嗟に夏帆の両腕を掴むと、片足で腹部を蹴って押さえながら、なんとか噛みつかれることだけは阻止した。
「グぁあァあァァッ、あアぁぁ!」
夏帆は気持ちの悪い叫び声をあげて身をよじり、琉の手を振りほどこうとする。
夏帆の力は想像を絶するほどに強く、少しでも気を緩めればすぐに振りほどかれてもおかしくはなかった。
「やめろっ、寄るなぁぁあ!」
琉は渾身の力で夏帆を蹴り飛ばす。
その衝撃で夏帆は床に投げ出され、受け身も取らずに背中から倒れた。
「(なにか武器―――なにか武器はっ!)」
夏帆がバタバタと床でもがいている間に、琉は武器になるものを探して部屋の中を見回す。
と、ちょうど琉のすぐ近くの床に、黒い木刀が落ちているのが見えた。
「(この木刀は……)」
刀身に龍の文様が描かれ、墨かなにかでぬったかのように黒い木刀。
これは四年前の中学三年生の修学旅行にて、見た目がかっこいいからとノリで購入したものだった。しかしいざ持って帰ってみると使い道のない邪魔なだけの置物と化し、今まで部屋の隅っこに立てかけてあったのだ。
それがまさか、こんな事態で役に立つとは。
琉は急いで黒い木刀を拾い上げ、夏帆に向けて構える。
夏帆はようやく立ち上がり、またもや両腕を振り上げて琉に襲い掛かってきた。
夏帆が振り下ろした両手を、琉が木刀の刀身で受け止める。木刀が「ミシッ」と嫌な音を立てたが、なんとか折れずに受け止めてくれたようだった。
その隙に琉は腰をかがめて、夏帆に足払いを掛けようと思いっきり夏帆の片足を蹴った。
「?!」
しかし、夏帆の片足はビクともしない。先程後ろ向きに倒れたのが嘘のように、全く効いていなかった。
琉がしまったと思うよりも早く、急激に夏帆の力が強まっていく。
木刀を支えている両手はすでに限界に近いが、それを遙かに上回る力で、夏帆が琉を窓枠に押し付けていった。
「(もう……駄目か……)」
琉は首元にまで木刀を押し付けられ、上半身はすでに窓から落ちそうなほどに反り返っている。いくら二階だからといっても、ここから落ちたら洒落にならないだろう。
夏帆は今にも噛みつこうと琉に向かって首を伸ばし、歯をガチガチと打ち鳴らしている。
両腕もだが、夏帆の胸部を押さえている足も限界だった。
夏帆が琉の胸元に噛みつこうと、首を伸ばした、その瞬間。
不意にどこか遠くの
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