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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第93話 遭遇 風林火山と解放軍
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けらかんとした言い方には若干引くものがあるようだ。
キリトも頭をガシガシっと掻きながら苦笑いをするとトレードウインドウを出し、コーバッツ中佐と名乗る男に迷宮区のデータを送信した。
男は表情1つ動かさず、それを受信すると「協力感謝する」と感謝の気持ちなど欠片もないような声で言うとくるりと後ろを向いた。キリトは、その背中に向かって声をかける
「ここのBOSSにちょっかいを出す気ならやめておいたほうがいいぜ」
その声に反応したのか、コーバッツは僅かにこちらを振り向いた。
「……それは、私が判断する」
この男のリーダー性には不安が過ぎる。引き連れているメンバーもそうだ。
「……さっきBOSSの部屋を覗いてきたけど、生半可な人数でどうこうなる相手じゃないぜ。仲間も消耗しているみたいじゃないか」
「私の部下はこの程度で音を上げる軟弱者ではない!」
部下と言う所を強調して苛立ったように言ったが、等の部下達は床に座り込んだままで同意している風には見えない。
「貴様ら! さっさと立て!!」
その一喝でのろのろとった地上がり、二列縦隊に整列した。その先頭にコーバッツは立つと最早コチラに見向きもしない、と言わんばかりに片手を挙げ、進軍を開始していく。
その時だった。
「……もう一度訊くがお前らは何の為に戦うんだ?」
見送ろうとしていたメンバー達から一歩前に出たリュウキがそう聞いていた。コーバッツは キリトじゃ無い事を確認したのか再び振り向くと。
「先ほども言ったとおりだ! 我々は一般プレイヤーの解放の為に戦っている!」
コーバッツの声が、このエリア内に響き渡る。それを聞いたリュウキは。
「……お前達も含まれているんだろうな? 最後の解放されると言うその中には」
それはリュウキの意味深な言葉だった。その言葉が発せられ、沈黙が周囲を支配する。声はコーバッツのほうが明らかに響き渡り声量も比較するまでもないはずなのに、リュウキの言葉はずしっ……っと 皆の頭に響いたようだ。
「それは、どういう意味だ?」
判っていないのは、この場ではコーバッツだけのようだ。
「……本当にリーダーだったら、仲間を大切にしろって事だ。軟弱の一言で無理強いをするな。……生きる、生き残る為に軟弱な決断が必要ならそちらを選択しろ。死んだら何もならない。……失ってから後悔しても遅いんだ」
場が一瞬まるで時が止まったかのように静かになる。リュウキのその言葉に不思議な力がある様にだった。リュウキの事を知っているレイナだけじゃなく……、皆がそう感じていた。
『部下といっているが決して駒じゃないんだ。彼らは消耗品じゃない。皆で生きて帰る為に最適な行動を心がけろ』
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