暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第93話 遭遇 風林火山と解放軍
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ように《ソロ》だと短く名乗る。
 男は頷くと横柄な口調で訊いてきた。

「君らはもうこの先も攻略をしているのか?」
「……ああ、ボス部屋の手前までのマッピングはしてある」
「うむ。では、そのマップデータを提供してもらいたい」

 その当然だ。と言わんばかりの男の台詞にキリトは少なからず驚いていたが、後ろにいたクラインはそれどころじゃないようだ。

「なっ……! て、提供しろだと!? 手前ェ、マッピングする苦労が解って言ってんのか!?」

 胴間声でわめく。当然だが、未攻略区域のマップデータは貴重な情報だ。トレジャーボックス狙いの鍵開け屋は勿論、アルゴも時としてその売買に乗り出している。
 そのクラインの声を訊いた途端男は片方の眉をピクリと動かし、ぐい!っと顎を突き出すと、

「我々は君ら一般プレイヤーの解放の為に戦っている! 諸君が協力するのは当然の義務である!」

 ―――それは傲岸不遜と言うものだ。
 そもそも軍は第25層攻略の時かなりの被害が出てからクリアよりも組織の強化を図っていたようにも思える。故にここ1年は最前線は勿論。フロアの攻略に乗り出してきた事は殆ど無いはずなのだ。……それは、一番前線を闊歩しているリュウキが一番の証人となり得る。
 その他には血盟騎士団、聖竜連合、そして今出会った風林火山以外ではキリトくらいのものだったからだ。

「ちょっと! あなたねえ!!」
「そうだよ! 幾らなんでも、それは無いわよ!」
「てめえな……」

 三方から激発寸前の声を出すクライン、そしてアスナとレイナ。だけどキリトは両手で制する。リュウキも同様だ。

「……こんな前線でプレイヤー同士争っても仕方ない。……アンタ等にしてもさっきの名目なら本末転倒だろ?」

 リュウキがそう言う。データを出そうとしたが、キリトの方が早かったようだ。

「そりゃそうだ。リュウキの言うとおり。……それにどうせ町に戻ったら公開しようと思ってたデータだ。構わないさ」

 そう言いながら、提供する姿勢だ。その行動にクラインはキリトの方へと来た。

「おいおい……そりゃあ、人が良すぎるだろ?2人とも」
「……マップのデータで商売をする気は無い。そんな事をする暇が有れば最前線のフロアでモンスターを狩った方がよほど効率が良くて、経済的だ。経験値も入るから一石二鳥どころじゃない」

 リュウキは平然とそう言っているが……前線のモンスターは、勿論強力だ。
 以前アスナが言ったように、アルゴリズムにもイレギュラー性が色濃く出てきており、思いもしない行動を取る……、前触れも無くありえない攻撃力を発揮してくる。そして何より最悪なのがその層に見合わないレベルを持ったモンスターも稀だが出現するときだってある。それをリュウキのあっ
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