暁 〜小説投稿サイト〜
Absolute Survival!! あぶさばっ!!
第一話 普通の高校生☆
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――――――ピピッ、ピピッ、ピピッ……

 おぼろげな夢は、規則的な電子音で唐突に終わりを告げる。

 ベッドの上で仰向けに眠っていた少年は「んむぅ……」と低く唸ると、右手をサイドテーブルの上に這わせる。そして未だに「ピピッ、ピピッ」と耳障りな音で鳴っているスマートフォンを掴むと、眼前に持ち上げて、鬱陶しそうにアラームの解除ボタンを押した。

「…………朝か……」

 少年は独り言のように呟き、ベッドから身を起こす。

 そしてあちこちへと撥ねた癖のある髪に手櫛を通しながら、ベッドを降りて窓際まで歩いていき、緑色の鮮やかなカーテンを「シャーッ」と勢いよく開けた。

「ん……良い天気だ」

 窓から見える空は快晴で、太陽が目もくらむほどに輝いている。

 少年は軽く伸びをすると、部屋の扉へと足を向けた。





「おはようお兄ちゃん!今日も若干ビビるくらいの怖い顔だね!」

 少年がリビングの扉を開けると、まるで待ち伏せていたかのように少女が目の前に飛び出してきて、大声でそんなことを言ってきた。

 少女の名前は『後藤 夏帆』。彼女はただいま中学三年生で、受験勉強真っただ中の学生だ。
肌は二年間テニスをしていたためか褐色で、その眩しい笑顔からは天真爛漫さがこれでもかというくらいに滲み出ている。容姿は……正直分からない。兄という位置から、いつも見ているためか可愛いのかそうではないのか分からなくなるのだ。まぁ微妙としておこう。

 少年は「ああ……おはよう」とだけ言い、夏帆を押しのけてリビングへと入る。

 背後で「ぶー、お兄ちゃんは冷たいなー」と文句を言う夏帆を無視し、木製のダイニングテーブルに掛けてある椅子を引っ張り、静かに腰を下ろす。

「ん……琉か。おはよう」

 椅子に掛けてそうそう、目の前で新聞を広げていた父親が、チラリと厳つい顔を新聞の片側からのぞかせた。

 もう五十を過ぎているというのに見た目は三十代前半にしか見えない。顔はなんというか痩せ細っており、髪の毛はちらほらと白髪の混じっている黒だ。なかなか無愛想で口数が少なく典型的な頑固親父みたいな容姿と性格をしている。

 少年が父親に挨拶を返そうとしたところで、キッチンから弾んだ声が聞こえてきた。

「あらー、琉ちゃんおはよう!今日も相変わらずの仏頂面ねー♪さっさと朝ごはん済ませなさいな」

 三枚の皿を器用に持ちながら、ステップでもしそうな足取りでキッチンから現れたのは、少年の母親。

 容姿は見た目だけが若い父親とは違い、年相応の見た目をしている。要するにおばちゃんだ。

 髪はふわりと少し癖のあるウェーブがかかっており、明るい茶色に染めている。

 先程の妙なテンションからも分
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