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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第86話 SS級の晩餐
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トも同じようだった。そしてリュウキも……。
「確かにな……。クリア、脱出だと言って、血眼になる奴が少なくなった。それに確実に迷宮区で出会うプレイヤーも少なくなっている」
リュウキは、そう答えた。最近こそ最前線付近を回っているが、以前まではいろんな層に行っていたリュウキだからこその説得力だ。
「うん。だって、攻略のペース自体落ちてるもん。今最前線で戦ってるプレイヤーなんて500人いるかいないか……。危険度のせいだけじゃない。皆、馴染んできてる。この世界に……」
レイナはそう答えた。それは、大手のギルドに所属しているからこそわかることなのだろう。リュウキは、そんな彼女を視る。アスナも隣に座っているから必然的に視界に入る。橙色のランプの明りに照らされ、物思いにふける姉妹。確かにそれは、生物としての人間のものじゃない。
リュウキの眼で、視れば彼女達を構成するシステム、デジタルデーターの数列すら、集中すれば視る事も出来る。視る必要が無いからコレまで殆ど見る事が無かったが、それを視れば明らか。だが……視なければそれが作り物には最早リュウキには判らなかった。
生きた存在として素直に納得する事ができる。
逆に現実に戻ったら違和感がハンパないだろうと予想もできる。それはキリトも重々承知のようだろう。だが、キリトは疑問に思ってもいた。
『――俺は本当に還りたいと思っているんだろうか……あの世界に……?』
そう考えていたのだ。そんな思考に戸惑ってしまう。だが、毎日、毎朝早くに起きだし、危険な迷宮区に潜り、未踏破区域をマッピングしつつ経験値を稼いでいるのは、本当にこのゲームを脱出したいからなのだろうか。確かに昔は何時死ぬとも知れないこのデスゲームから早く抜け出したかった。しかし……この世界での生き方に慣れてしまった今は……。
「でも、わたしは帰りたいよ」
キリトの内心の迷いを見透かすような歯切れの良いアスナの言葉が響く。そしてそれに続いて
「わたしも、勿論。帰りたい」
レイナもそう言い。
「ああ……そうだな。約束もした」
リュウキも頷いていた。
「だって、あっちでやり残したことだっていっぱいあるんだから」
アスナは微笑みながら続けた。
「そうだな。オレ達ががんばらなきゃ、サポートしてくれる職人クラスの連中に申し訳が立たないもんな……」
消えない迷いを一緒に飲み下すように、お茶をキリトは飲み込んだ。珍しく素直な気分で俺はどう感謝の念を伝えようかと言葉を捜しながらアスナを見た。すると、アスナは顔をしかめながら目の前で手を振り。
「あ……あ、やめて」
と言うが、キリトは一体何のことなのかは判らないから、訝しんでいる。
「な、なんだよ?
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