マブラヴ
1042話
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してみれば、海に来た時だけ味わえる最高のツマミらしい」
まぁ、その言葉にも納得だけどな。実際、これ程小さいカニを手に入れるには海に来て自分で捕まえるしかないんだから。
ヒュー。
ふと、そんな口笛が聞こえてくる。
その口笛を鳴らしたのは、ある意味予想通りにミハエル。
そしてミハエルの視線は、丁度海から上がってきたスレイの方へ向けられていた。
そう、海水により競泳水着のような水着が身体にピタリと張り付き、その豊満なボディラインが露わになっているスレイへと。
「ふんっ!」
「ぐおっ……」
反射的な動きでミハエルの腹部へと拳を叩き込むクランと、それをまともに食らって岩の上に座り込むミハエル。……実は下が岩なんだから、微妙に危ないやり取りなんだがな。
「ふぅ。……うん? どうしたんだアクセル」
俺に気が付いたスレイの言葉に、何でもないと首を横に振る。
「いや。……それよりも随分と大漁だな」
スレイの持っている網の中には、魚や貝、タコといった獲物がギッシリと詰まっていた。
さすがに俺の収穫量よりは少ないが、それでもかなりの量だ。
スレイもまた、誇らしそうに持っていた獲物の入った網を上げる。
「そうだろう? さぁ、早速調理して貰おうか。……そっちは何をしてたんだ?」
「ちょっとカニ釣りをな。アルト、ある程度の量が釣れたら向こうに持ってこい。揚げて貰うから」
「あ、ああ。分かった」
ミハエルの様子を心配そうに眺めているアルトをその場に残し、俺とスレイはそれぞれ大漁の獲物を持って四葉の下へと向かうのだった。
「うわっ、凄い動いてるわよこれ。ちょっと気持ち悪いくらいに」
美砂が、炭火で網焼きにされているアワビを見ながらそう告げる。
実際、下から炭火で炙られているアワビにしてみれば暴れるのも当然だろう。
他にもサザエには醤油と酒を垂らして網の上に、魚は鱗や内臓をとるといった下処理をして網の上に並べられている。
タコも塩揉みをしてヌメリをとってから、網の上に上げられていた。
まさに海鮮バーベキューといった具合になっており、周囲に集まってきている者達はその匂いに思わず唾を飲み込む。
それはアウルやスティングといった、食べ盛りの男だけではない。元3-A組の面々や、それ以外にも色々な世界からやって来た者達も視線をそちらへと向けている。
やはり食欲はどの世界でも共通なのだろう。
――そろそろ食べ頃ですよ――
焼きそばを焼いていた四葉の言葉に、焼いていたアワビを取り出す。
先程まで暴れていたアワビだったが、今ではすっかりといい匂いをさせている。
そのまま四葉がカレーを食べる為のスプーンを使ってアワビを殻から外し、肝と身に
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