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ともだち
第一章

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                       ともだち
 鍛え抜かれた戦士だった、彼は。
 ジミ=グラッドは逞しく引き締まった一八五センチを超える身体にだ、鋭い黒い目と短く刈った髪それに鋭い表情が印象的な男だった。猛者揃いのアメリカ海兵隊でもその身体能力時に格闘技と射撃での実力はずば抜けていた。
 何しろだ、ハイスクールを卒業して兵士として入隊したがだ。
 あまりもの強さとそれに勤務態度、しかも指揮能力があることを見られて士官候補生になって士官になあった程だ、その士官になってもだ。
 彼は強かった、マーシャルアーツでもナイフを使ってもだ。
 彼に敵う者は海兵隊にもいなかった、それでだ。
「それだともうな」
「少佐にもなれるな」
 海兵隊では実に狭き門である佐官にもなれるというのだ。
「御前強いからな」
「身体能力なんてアスリートだしな」
「しかも勤務態度もいい」
「それならな」
「少佐間違いなし」
「将官になれるかもな」
「佐官になるかどうかはともかくだ」
 グラッドは淡々としてだ、同僚達に話した。
「俺は海兵隊が好きでだ」
「それで、だよな」
「これからも海兵隊にいたい」
「そうしたいんだな」
「俺は合衆国市民だ」
 まずはこう言うのだった。
「それにだ」
「ああ、海兵隊員は市民の範となれ」
「合衆国市民のな」
「だからだよな」
「御前は合衆国市民としてな」
「海兵隊にいたい、それにだ」
 さらに言うのだった。
「誰にも負けない」
「格闘でも射撃でもナイフでもな」
「誰にもだよな」
「負けないんだな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「俺は負けない」
「そうだな、じゃあな」
「これからも頑張れよ」
「鍛え続けてな」
「海兵隊員でいろよ」
「しかしな」 
 ここでだ、同僚の一人がグラッドに言った。
「御前結婚しても」
「ワイフとは仲がいい」
「いや、そうじゃなくてな」
「家庭のことじゃないのか」
「御前結構金持ってるよな」
 色々な手当を貰っているからだ。海兵隊員としての勤務の中で。
「金は」
「それが何かあるのか」
「いや、御前の趣味は」
「トレーニングと読書だ」 
 この二つというのだ。
「それがどうかしたか」
「いや、質素な趣味の割にな」
 同僚はこのことから言うのだった。
「あまり金ないって言われてるけれどな」
「無駄な金は使わない」
「貯金しているのか」
「貯金はしているが」
 しかしというのだ。
「それでもだ」
「使うことは使っている」
「そうなんだな」
「そうだ、必要な分は貯金して残しているが」
 それでもとだ、グラッドは淡々と話した。
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