第四章
[8]前話 [2]次話
「僕は猟師さんになれるかな」
「なれるかもね」
「だったら赤頭巾ちゃんをね」
それこそ、というのだ。
「守ってみせるよ」
「その時はお願いね」
微笑んで私に行って来た、そして。
私達は射的の後でお昼に洋食を食べてそれから行った場所は。
動物コーナーだった、犬や猫がいて。
鳥達もいた、彼は犬や猫と遊ぶ私に言った。
「鳥のコーナーにも行こう」
「そこになの」
「そう、あそこには白鳥もいるから」
「白鳥もなの」
「そう、それでね」
白鳥達がいるからこそというのだ。
「白鳥達と」
「今度は白鳥の湖?」
「そうなるかな」
「とにかく白鳥と、なのね」
「一緒にいてね」
そして、というのだ。
「その場面をね」
「また写真に撮るのね」
「そうしたいんだけれど」
少しおずおずとなって私にお願いしてきた。
「駄目かな」
「さっきと一緒よね」
私はお城の時と同じやれやれといった笑顔で彼に返した。
「そうよね」
「うん、そう言われるとね」
「それならね」
ならと返した私だった、そして。
白鳥のところに行って写真を撮ってもらった。その後でだ。
今度は私から言った、家鴨達のところに行ってから。
「ニルスの不思議な旅の」
「ああ、ニルスは家鴨だったね」
「家鴨に乗って飛んでたでしょ」
「小さくなってね」
「小さくなることはないけれど」
それでもとだ、私は家鴨達を見ながら彼に笑顔で言った。
「それでもね」
「家鴨に乗って空飛びたいんだ」
「そうも思ったわ」
「何だ、君もメルヘンじゃない」
私のその言葉を聞いてだ、彼は笑って私に言った。
「それなら」
「悪い?」
「最初は乗り気じゃなかったのに」
「仕方ないでしょ、何かここにいたらね」
どうしてもだ、彼に返した。
「そうなるのよ」
「メルヘンな気分に?」
「そうされたのよ」
彼に顔を向けて言った。
「自然とね」
「そうなんだ」
「全く、けれど今はね」
この遊園地の中にいる時だけは、彼にこうも言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ