十七話:炎と日常
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に俺の手に頭を擦りつけてくる。
何となしに猫みたいだと思いながらそのまま撫で続ける。
「あの……私はお邪魔でしょうか?」
「あれ? 居たのか、エルス」
「まず、そこからですか!?」
さっきまで居るのを忘れていたエルスから勢いのあるツッコミが入る。
ジークのことで頭が一杯で仕方がなかったんだ。
恨むなら顔を真っ赤にして恥ずかしがっているジークに文句を言え。
「そ、そうや! 番長の試合見よ! しっかり応援せな!」
照れ隠しのようにそう言うジークをからかってやりたいが今やると再発しそうなので再びグッと堪える。
ハリー対リオちゃん……悪いが今回はハリーを応援することになりそうだ。
でも、リオちゃんも心の中では応援しよう。
「さて、見せて貰おうか、春光拳士の性能とやらを」
「ハリー選手は確かに赤いですが彗星じゃないです」
エルスのツッコミを受けながら試合を観戦していく。
すると、リオちゃんが地面を持ち上げた……地面を。
「ええい、チームナカジマの春光拳士は化け物か!」
「やろうと思えば、私も出来るよ」
「……お前、やっぱりチャンピオンなんだな」
家の乞食はどうやら只者ではなかったようだ。
最初はリオちゃん優勢だった試合もハリーがレッドホークを使い始めたことで形勢逆転する。
レッドホークの鎖部分で絡めとられ身動きを封じられるリオちゃん……。
「ボロボロの服に絡みつく鎖、そして息を荒げながら上気する頬……エロい」
「そんな目で試合見るようなら潰すで?」
「ごめんなさい、お願いだから俺の目に突き付けた指をどけてください」
リオちゃんの色気に思わずエロいと零してしまうと再び目からハイライトが消えたジークが俺の目を潰そうとして来る。
いつもなら冗談だと流せるが今日ばかりは本気度が違う。
渋々といった形で手を降ろすジークだったが今度はピッタリと俺の隣にくっ付いて離れようとしない。
……正直怖い。
「鎖を力で引き千切ったというんですか!」
「でも、番長は負けへんよ」
「相も変わらず鎖で縛られるとエ―――な、何でもない。そうだ、エクスタシーだ!」
「ごまかそうとしてさらに変態になっていますよ」
しまった、俺としたことが。
ジークの指が再び唸りを上げそうになったが丁度いいタイミングでハリーが必殺技を決めてくれたおかげで何とか注意を逸らしてくれた。
ありがとう、ハリー。この恩は忘れない。三日ほどだけど。
「番長の遠隔砲撃……私も気いつけんと」
「ええ、対策頑張りましょう」
「リオちゃん(のおっぱい)はこれからの成長に期待だな」
「どこ見て言っとるん、リヒター」
「どこでもいいさ」
「ふざけるな!」
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