解き放たれた絶望
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。
「だけどなぁ・・・その悲しみを乗り越えることこそが、次に進むための力になるんじゃないのか?」
「知った風な口を。お前に俺の心の悲しみを理解できるわけねぇ」
「わかるよ」
俺はコブラの言葉にそう返す。それを聞いたコブラの顔は、不機嫌さを隠すことなく、苛立っているように見えた。
「俺も7年・・・いや、14年前に大切な親を失った。他の人だって、それぞれ色んな物を胸の中に秘めている」
俺と同じように親を失った者。自分の故郷をを破壊され、大切な人をさらわれた者。大切な人が操られ、二度と会えなくなった者・・・でも、みんなそれを乗り越えて生きている。
「聞こえたんだろ?コブラ」
俺の問いかけに、コブラは何も答えない。
「ちっ、俺としたことが、目的を忘れていた」
コブラは何かを呟くと、服の袖からナイフの柄のようなものを出す。
「水竜!!いずれ決着はつける」
コブラはそう言うと踵を返し、どこかに走り去ってしまう。
「待て!!」
俺はすぐにあとを追おうとしたが、倒れているマックスさんとエバーグリーンさんのことを思い出し、立ち止まる。
「今はこっちが優先だな」
俺はキズを負った二人の元に近づくと、すぐに治癒魔法をかけて回復させることにした。
第三者side
「おい起きろ!!いつまで寝てんだエリゴール!!」
「そ・・・そんな乱暴な・・・」
ビックスローは気を失っているエリゴールの胸ぐらを掴み起こそうと揺すり、それを隣で見ているウェンディが慌てぎみに止めようとしている。
「これだけは聞かなきゃなんねぇ」
ビックスローは自分を止めようとするウェンディにそう言い、視線をエリゴールに戻す。
「おい!!お前たちの目的を話すんだ!!無限時計はどこだ!!」
ビックスローが耳元で大声を出したためか、エリゴールはようやく気がつき、頭を抱えながら話し出す。
「わからん・・・ボーッとして、自分が何をしていたのか」
「記憶が戻ったばかりで、まだ頭がはっきりしないんですね」
エリゴールを見たウェンディがそう言う。
「おめぇ、監獄にいたはずだろ?」
「そうだ。いつだったかひどい悪夢を見た。誰かが俺の夢に忍び込んだ感じだった。その後俺は・・・」
「グリムリーパーとして活動してたわけだな?」
エリゴールはビックスローの言葉に小さくうなずく。
「夢に忍び込む?」
ウェンディは先程エリゴールの言っていた言葉に何かを感じる。
「夢を使って、その人を操る魔法でしょうか?」
「だな」
ウェンディの推測をビックスローは肯定する。
「
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