解き放たれた絶望
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「あぁ!?」
苦しむグリムリーパーを見て言い放ったウェンディの言葉にビックスローは驚いてしまう。
「私の治癒魔法で、あの人の記憶を戻してあげられたら・・・」
「お前、どこまでお人好しなんだ!?」
ウェンディのあまりの人の良さにビックスローはそう言う。
「やってみる!!」
ウェンディはグリムリーパーを苦しみから解放するため、魔力を解放する。
「お前のせいだ!!小娘!!消えろ!!」
グリムリーパーは心を乱したままウェンディに向かって魔法を放つ。
「天竜の咆哮!!+キュア!!」
それに対し、ウェンディはブレスと治癒魔法を併せた魔法で対抗する。
「消し飛べ小娘ぇ!!」
「思い出してぇ!!」
ぶつかり合う二人の魔力。その風は近くにいたビックスローをも身動きができないほど凄まじいものだった。
「無茶しやがる・・・!!」
その時ビックスローはグリムリーパーの魂を見て何かを感じ取っていた。
「うおおおおおおっ!!」
「はああああああ!!」
叫ぶ二人。そして、徐々にウェンディのブレスがグリムリーパーの攻撃を押し始め、辺りが光に包まれた。
「おーい!!」
「!?」
辺りは真っ白な空間のような場所。グリムリーパーは後ろから声をかけられ、驚きながらもそちらを向く。
「情けねぇ姿だなまったく・・・俺が望んだ強さはこんなんだったか?」
そこには黒い手袋をはめ、下に袴のような物を履いた、上半身裸の男が大鎌を持ってたっていた。
その後ろには、顔や服装はわからない、シルエットだけの四人組が立っている。
「貴様は・・・俺?」
グリムリーパーはそう言う。グリムリーパーに声をかけた男は、7年前、呪歌の時にナツ、ニルヴァーナの時にシリルと交戦した時の、グリムリーパー・・・エリゴールの姿だった。
「うわぁっ!!うおっ!!ぐはっ!!」
突然、グリムリーパーの体から黒い禍々しい邪気が抜け出る。それと同時に、グリムリーパーは意識を失い、地面へと転落した。
「奴の魂から何かが抜け出たぞ」
ビックスローは倒れたグリムリーパーを見つめてそう言う。それと同じようにグリムリーパーを見るウェンディの表情は浮かないものだった。
「そんな・・・私、人を治す力で・・・人をキズつけてしまった?」
ウェンディは自分の治癒魔法でグリムリーパーをキズつけてしまったと思い込み、暗くなる。
「いや・・・」
そんなウェンディにビックスローは近寄ると、そっと頭を撫でる。
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