21.友達
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ちらにしろミネットが損な小細工を見抜けないとは思えない」
「では、何者なのだその妖精は………」
「敢えて断言しよう……謎だ!!」
カァッ!!と目を見開いたガネーシャの一言に、リングアベルは再び頭を抱える他なかった。
謎の存在に謎な理由で謎に困っていたミネットを嗾けられ、挙句詳しい事は何一つわからない。
解決する筈の問題が更に高く、重く山積した。
「……それと、これは俺の余計なお世話かもしれないが――」
= =
「………とまぁ、報告はこんな所だ。……むぅ、この豆はナダラケスマウンテンだな?流石金持ちファミリア。珈琲が美味い!!」
「やれやれ、君はとことんトラブルに巻き込まれる運命なんだねぇ……むぐむぐ」
「妖精って怖いんですね……なんか夢が崩れちゃいました……あ、でもそいうえばおじいちゃんも妖精嫌いだったっけ……?」
手短にとは言ったもののそれなりに話し込んでしまったリングアベルだったが、ヘスティアたちはゆっくり食事をしながらもリングアベルの事を待っていてくれた。そこでリングアベルは病み上がりの一杯を楽しみつつ、二人に事の経緯を説明することにしたのだ。
二人ともどこか複雑そうに顔を顰めながら話を聞いていたが、呪いの件になるとそのリアクションは露骨だった。ヘスティアは「魂に精通したフレイヤが解呪できないなんて、何という……」と戦慄し、ベルはベルで「そんな小さな子を利用して先輩を殺そうとするなんて非道すぎる!」と盛大に憤慨。
最終的な結論として、その妖精とやらは「ヘスティア・ファミリア共通の"敵"」と認定された。
(……ちなみにリングアベル。そのこと、日記には書かれていたかい?)
(俺の知る限りでは全く。頭痛の種がまた増えたよ……想い悩むのは女性関連だけにしたいところだ)
やはりDの日記帳は完全な未来が記されている訳ではないようだ。それとも、リングアベルと日記の主が別人だからこのような齟齬が生まれているのか。
「まぁ、何にせよ二人の眷属が無事に戻ってきたんだからボクは感激だよ!!」
「俺は大分愛の鞭を振るわれた気がするんだが……」
「愛があるならいいじゃないですか、先輩!」
ぽん、と肩を叩くベル。お前はいいよな目立ったところで目立った活躍して……と内心で思わないでもない。なにせリングアベルの雄姿を見たのはユウ、ジャン、ミネット、そしてビスマルクのたった4人なのに対し、ベルは大勢の前で大立ち回りをしたのだ。この扱いの差は何だ?と思わず問いただしたくなる。
「貧乏くじの運命かなぁ………ボクも人の事言えないけど。貧乏だし……あ〜また自分で言っちゃったよっ!!」
「うう、考えてみれば僕もおじいちゃんが死んで単身ここに来たから貧乏くじの素質あるかも……」
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