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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第82話 夢の初めに
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 だから……とても恥かしいけれど、心地良いんだ。

 その後もぽつりぽつりと、何気ない言葉を交わして……、気がついたら本当の夢の中へと入っていった。





 そして、更に1時間後。

 朝日が窓のカーテンの間から差し込んでいた。その光がベッドを斑に照らしていたのだ。その光の内の1つがリュウキの瞼の部分を照らす。

「ん……」

 光を感じたリュウキは、ゆっくりと瞼を開けた。そして……身体をゆっくりと起こした。朝日が眼に染みる。

「……あ、あれ……? レイ……ナ?」

 ふと、隣を見てみると、昨晩ずっと一緒にいた筈の彼女の姿が無かった。リュウキは、とても心配をしていたが、それは杞憂に終わる。

「あっ! リュウキ君起きたっ?」

 レイナが笑顔で寝室に入ってきたんだ。

「ん……おはよう」

 リュウキは、眼を擦りながらもレイナが目の前にちゃんといる事に安堵していた。よく考えたらここまでぐっすりと眠った事、この世界に来て一度だって無い。朝日と共に目が覚めるような事だって、一度もないって思える。

「おはよーっ! もう、ご飯っ出来てるからね!」

 レイナは朝一番の笑顔でそう言った。

「あ、ありがとう……//」

 リュウキはまだ、やはり照れているようで少し顔を赤らめていた。

「うんっ!」

 レイナは元気いっぱいと言った様子だ。リュウキは、完全に眼を覚ましベッドから脚を伸ばす。
そして、レイナの元へと向かった。


「改めて、おはよう!リュウキ君」

 食卓に囲む2人。それはまるで、新婚夫婦のようで、何処か照れくさい。

「ん。おはよう、レイナ」

 リュウキも漸く慣れてきたようだ。普通に返事が出来ていた。

「それにしても……」

 リュウキは、レイナが作ってくれたパスタを頂きながらつぶやく。

「ん?」
「此処に来て、初めてだよ。こんなに、ここまでぐっすりと眠ったのは……。」

 リュウキは改めてそう考えていた。以前、とある女性に『夜は寝るもの。睡眠は大切。』っと言われた事はある。だから、とりあえずは就寝しようとしたのだが、そんなに眠っていない。状況が状況だといえばそうだが、正直眠っても起きていても同じ事だろうと考えていたのだ。

 起きていても休息は十分に出来るから……と。

 でも。ここは居心地がよくて、気づいたら深い眠りに入っていたのだ。

「あはっ……やっぱり? じゃあ、中々視れないものっ視れたんだ?」

 レイナは、にこ〜〜っと、リュウキに笑いかけた。

「……え?」

 リュウキは、その意味が判らず首を傾げる。それを見たレイナは両手の人差し指と親指で、カメラの形を作ってウインクをした。


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