第1章 光をもとめて
第1話 はじめまして
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は直ぐに判る。……その内の1人は……首がない状態で立っていたのだから。そして、一呼吸する間のなく、その首の無い身体から血が噴出した。
自分の首が切られた事がわかったのは、この瞬間だった。
少女も男達も状況が飲み込めずただただ唖然としていた。
だが、仲間が殺られた事実を理解し、正気を取り戻すと、すぐさま腰の短剣を引き抜き身構えた。
「て、テメェ!よくもやりやがったな!! ぶち殺されてぇか!!」
目の前の男に声を荒げる男(団長予定)。男はフードを被っており、表情がまるで見えない。男だと思うのは声色からそうでは無いかと判断した。そして何処か、不気味だとも思えた。
その頭をすっぽり覆っている姿は、まるで死神か悪魔を連想させたのだ。仲間の首を刈られた死体が。
男は、腰にかけている剣に手をかけながら呟く。
「殺されるのはお前達だ。……下衆が」
低くそう言い放つ男。
「ふざけんな!!糞がァァァ!!!」
残った男達は一気に駆け出した。
素早く、最短に斬られていく男達。フードの男の剣速は目で見る事が出来なかった。気づかれたら、斬られていた。
「う、うわぁぁぁ!」
そして最後の男が、フードの男と交差した。……交差したかと思えば、そのままフードの男は少女の方へと向かっていった。
彼女はまだ、状況がつかめないのだろうか、身体を震わせていた。それは近づくほど増していく。
「大丈夫だ……じっとしていろ。今、拘束を解いてやるから」
男は、そう言いながら、拘束ロープを解いていく。何度も何度も、複数の男達に犯され続け、精神が限界近くにまで来ている彼女はまだ状況が飲み込めない様だ。
だが、直ぐ後ろにまだ男が残っているのだけは解る。
「ぁっ……、う、うしろ……、後ろに……っ」
言葉を必死に探しながらなけなしの声を上げるが。目の前の男はそっと、唇に人差し指を当てる。
「大丈夫だ」
男はそう言うと、少女に笑いかけた。
「……もう、君に酷い事をする者はここにはいない。大丈夫」
彼女の身体を90度横へ向け、側面できつく結ばれているロープを解いていった。別に、彼女の正面のままでも解けるのだが……、見せたくなかったのだろう。
次の瞬間に、先ほどの男の様に血飛沫を上げながら絶命してゆく男の姿を。
〜リーザス辺境・肥沃三日月地帯 入口〜
そこはランスが睨んだとおり、5人の後をつけ会話を聞き、その風貌をもう一度見れば一目瞭然。荒くれ連中は、数に物を言わせてこの場を根城にしているだけで、1人1人の力ははっきり言って弱い。ランスは、正面から堂々と詰め寄っていったのだ。ランスに驚いた男達ははすぐさま攻撃してき
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