第1章 光をもとめて
第1話 はじめまして
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きたのが、秘書であるハイニ。どうやら、来客者であるランスにお茶を用意していたのだが、入れ違いになったようだ。キースは頭頂部を掻きながら頬杖をつくと。
「まぁ、持っていった資料に書いてるし、見りゃわかるだろう」
「もう……、相変わらずランスさんはてきとうなんだから。シィルちゃんも大変ですよね。……はい。お茶です」
いつも通りとは言え、苦言を言わずにはいられないようだ。ハイニはキースにお茶を差し出しながら思わずそう言ってしまっていた。
そして、控えの書類を手に取りながらキースは口にお茶を運ぶ。
「まぁ……、手口と言い場所といい、なんだかきな臭ェ案件なんだがな、ランスなら大丈夫だろ。性格はアレだが腕はたしかだ。それに、シィルちゃんもいる事だしな。さっさと結婚しろってんだ」
「あはは」
キースの言葉でハイニは笑う。……確かにお似合いと言えばそうだから。でも、間違いなく、否定するだろうけれど。
キースも、大体はハイニと同じ意見。ぱさっ……っと、机に資料を放り出した。まだまだ、ギルドの仕事は終わっていないのだ。この案件はランスに任せ次の書類に目を通しだした。
その時だった。
“BEEP BEEP”
ギルド内の電話が鳴り響いた。
「お?」
「依頼者からですかね? それとも新しい依頼かしら……? あ、私出ますよ」
ハイニは、そう言いながら電話に出た。いつも通り、ギルドの窓口として、応対していたのだが、次第にその表情に笑みが浮かんでいた。いつもと違う様子だ。
「ん? どうした? 誰からなんだ?」
キースもその表情から何か気になったようだ。いつものハイニの表情じゃないからだ。営業スマイルは見せてくれているが、相手がいない場合はそこまで出したりはしない。
「ふふっ。キースさん。今回の依頼……絶対大丈夫になりましたよ? とても心強い援軍です」
笑いながら受話器を差出した。キースは多少は半信半疑ながら受け取る。
すると……その声の主は……。
〜アイスの町・ランス宅〜
キースギルドを後にしたランスは、上機嫌で家へと戻っていた。そこで受け取った資料に再び目を通し情報を整理する。普段なら、メンドクサイ。と簡単に済ませてしまうのだが、今回は可愛い子&高額報酬。
いつも以上に気合が入っているのだろう。
「大金が入る上に、オレ様が颯爽と、格好良く助け出せば……『きゃー!素敵っ 抱いてください!』……なんて展開が待ってるに違いない。うむ。そうに決まっている。ぐふふ、見れば見るほど可愛い子だな!」
顔はまるで真剣そのもの……なんだけれど。考えてる事はそんな事柄だった。もう、これ以上ないって程に解るだろう。ランスと言う
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