暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第1話 はじめまして
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「………だから、外したくなかったんだよ。このフード。……ミスった」

 少しいじける様子でそう言っている姿はやっぱり可愛かった。 だが、話を聞くに容姿を随分と気にしているようだ。年齢と外見が一致してないのだから

――……ショウガナイ、ショウガナイ。 

「む、まぁ! それはもう良い」

 ランスは勝手にそう決め付けて先に進めようとする。こちらとしては勝手に素顔で年齢を判断して、ガキだなんだ、と失礼な事を言われて不愉快と言えば不愉快なのだが……、これ以上年齢・顔に関しては引っ張られたくない為何も言わなかった。

「で、ガキ……じゃないか。外見はさて置き。貴様は名はなんなのだ? 男の名など覚えるつもりは一毛たりとも無いが、貴様が知っているのに、オレ様が知らないのが気に喰わん!」
「ん……、ああ、まぁ良いか。名乗りが遅れたのは事実だが。ってか、ギルドカードに全部載っているんだけど」

 少し考えながらそう言う男。だが、不思議に思っていた事もある。これまでは、自分の外見に関してここまで弄られたら怒り、それが男なら一撃かましてやろうとも思うのだが。

 何故だか、この男に関してはそうは思わなかった。

 なんと言えば良いのだろうか、空気を吸うように普通に毒を吐く男だと言う事が解っていたような……、何を言っていても納得してしまうかのような……、そんな自分でも訳の判らない気分だったのだ。

「む、何をオレ様の顔をジロジロ見ているのだ! 男に見つめられるのなど、嬉しくも何とも無い! 寧ろ不愉快だ! ヤメロ! オレ様にそんな趣味はない!」

 ランスは、見られる事が気に食わなかった様で、突っかかる。見ていたと言っても、数秒やそこら。そこまで見ているつもり等無いのだけれど。

 この時、シィルもランスに関して不思議に思っていた。

 これまでは、男の人に関しての扱いは本当に酷い……って内心は思ってしまうほどだった。それこそ、理不尽は当たり前、場合によっては有無言わず攻撃も通常。
相手の名前を知りたい(特に男性。)の等、これまでで見た事ないのだ。

「オレの名は、ユーリ。ユーリ・ローランド。キースギルドに所属している冒険者だ。……あと人を外見で判断すんな」

 ユーリはそう吐き捨てた。

「がははは! 判断して欲しくなければ、ワイルドになる事だなっ! このオレ様の様に、スーパーイケメンにな!」

 ランスは、最後の言葉に腹を立てるどころか、笑いながら、からかい返している。
そして、ユーリも絡み 二人で言い合っている。

 シィルはそんな2人を見てこれがはじめて出会った2人なのか?と思ってしまっていた。
まるで、幾年も共にいたような……、互いに分かり合っている様な感じがした。

 だって、これまででは
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