第1章 光をもとめて
第1話 はじめまして
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手に人の奴隷に馴れ馴れしく話しかけているんだ貴様!」
「あ、ランス様。一応自己紹介は済ませましたよ」
「なにぃっ!! おいコラ! 勝手なことをするなシィル! ええいっ! こうしてやる!!」
「ひんひん……っ 痛いです、ランス様っ……。」
両拳で頭をグリグリと挟みこまれるシィル。傍から見て理不尽極まりないが、シィルがそこまで嫌がってる様子も見られない。一応は信頼関係で結ばれているのだろうと判断した。主従関係はある様だが互いにある程度信頼をしているのだろう。
「はぁ……、キースギルド所属の《ランス・クリア》と言うのはお前だな? なるほど、聞いていた通りの男の様だ。……ここまで情報と印象が正確に合致するのも珍しい」
「なにぃ! オレ様の個人情報を知っていると言うのか! これは、プライバシーの侵害とみなし、慰謝料を請求する! 50000GOLDだ!」
今度は無茶な理由で金を要求する。まさしく情報の通りだ。ここまで来ると逆に清々しい。
「はぁ……、ってか、それ今回の依頼の報酬額じゃないか」
「なにぃ! 個人情報だけではなく、オレ様の仕事をも盗むと言うのか!」
「いい加減そのノリをやめろって。……同業の好で。同じ所属の好だ。今回も連中の仲間を片付けてくれたって言う借りだってある。今回の依頼、手伝ってもいいし、終えたら、報酬を分けても構わないと思っていたんだがな」
「……なに? ソレを早く言わないか」
すぐさまシィルの頭を解放そたランスは男に詰め寄った。
「元々、今回の依頼。報酬金額が通常とは、全く比べ物にならないしな。だから別に問題ない。まずオレとしては、この子を先に連れて帰ってあげたいがな」
「がははっ貴様、中々に下僕としての見所があるヤツじゃないか! 自己中であるガキとは思えん!」
腰に手を当てて笑うランス。その言葉に ぴくぴくっ と二度眉を上げる。正直、もう我慢出来そうにない。
「……言っておくが俺はガキじゃない」
「がはは! ガキは皆同じことを言うのだ。最早テンプレだ!」
男の言葉を訊いて、ランスはそう言っていた。確かに、それは間違ってはいない。子供、と言うモノは大体そんなものだし、ガキ扱いされて怒る所だって、そうだ。
だが、今回ばかりはランスは間違っている所があった。
「……オレは19だ。ガキじゃない!」
男は、怒った様子で身分証明であるギルドカードを叩き付けた。そこにはすべてが明記されている。はっきりと書かれているのだ。
出生年が《GI997》と。
「んな……!!」
「「えっ……」」
その場にいる皆が絶句している。助け出した彼女までもがだった。凛々しく助け出してくれた姿にはドキリともしたけれど、まだ全然若い方だと思っていたのに。
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