第1章 光をもとめて
第1話 はじめまして
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早くに家を出ていれば! まさか、このオレ様が、こんなガキに 可愛い子を取られてしまうとは! 先を越されてしまうとは!!!」
ランスが、シィルが思っていた事をそのまま言ってしまった。そう、この人は、顔が非常に幼い感じ。……所謂《童顔》なのだ。
後5〜6年たてば、きっと美青年になるであろう! とシィルは思っていた。自分に弟が居れば……こんな感じかなぁ? とも。
「が、ガキ……っ」
ランスの言葉を訊いて、明らかに不快感を露にしていた男。まさか初対面でそこまで言われるとは、と思っていた様だ。
だが、ランスと言う名前は知っている。
男はこほんと、咳払いをすると。
「どうやら、さっきオレが片付けた連中。仲間がいる、と言っていたから聞いて一応警戒してたが、あんた達が片付けたんだな。……礼を言うよ。手間が省けた」
「い、いえ……、と言う事は、他にもいた、って事ですよね? 悪い人たちが」
「ああ。いたが、全滅してるよ。この辺りを根城にしてるゴロツキの様だ。……町の人達にも色々と訊いていた。結構悪さをしている。賞金こそはかけられてないがな。オレはリーザスの町の人に頼まれたんだ」
「わ、わたし、わたしは…… あの人たちに……」
こくこくっ と頷く少女。ここまで連れてこられた経緯を考えたら 彼女もよく判るだろう。彼がこの場所に来た理由についても、彼女に話している。……感謝もしてもらっている。報酬はそれで良い、と言って彼は笑っていた。……気障だなぁ とか普段なら、考えてしまうかもだが、今は本当に感謝しかしていなかった。
「大丈夫ですよー。もう 酷い事する人なんて、いませんからっ!」
シィルは笑顔でそう言っていた。……正直、ランスと2人きりだったら、判らなかったかもだけど、少なくとも、今は大丈夫だろう。ランスは、ガキに負けたとまだ放心しているのか、殆ど反応が無いから。
正直、彼もイキナリガキ扱いされて腹も立つが、とりあえず、少女を無事に助けれた事だし 不問としていた。
だが、ショックとは言え、シィルと話していた男が気に食わないようで、不機嫌そうに睨みつける。
「そうだ、よしっ! 殺そう! そうすれば、その可愛い子ちゃんは、オレ様のもの! ついでに経験値と金も得られる! がははは!! 我ながらグッドアイディアだ!」
「……おいおい。幾らなんでも傲慢すぎるだろう。いきなり初対面の相手に。口に出して言うのもどうかと思うぞ……」
いきなりガキ扱いした事も不快だが、今度は処刑宣告。……流石に初めての事だ。ムカつきを通り越して半ば呆れかえる。心中を察したシィルも苦笑いを噛み締めていた。
話がわかるのは彼女の方だと思い、話を進めようとしたのだが、それが気に障ったようだ。
「それに、何を勝
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