プロローグ
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「生憎……だったな」
刃こぼれした剣を肩に担ぎ、ニヤリと笑ってみせる。それは決して虚勢じゃなかった。虚勢の類ではない、と言うのはその眼に宿っていた。
「あいつらは決して殺れねェ……≪アイツ≫の資質は長い歴史上……随一だ。お前ら如きじゃ殺せねぇよ。運命がそれを許さねぇんだよ」
『死に底無いが何を言う。』
『精々足掻け!お前の後に直ぐに追わせてやるさ!』
その次の瞬間には、一斉に光が男の身体を包み込んだ。
――……いつだった?これはどこから始まった? 代々受け継がれているこの戦いの記憶の奥底が、深遠がまるで見えない。だが、この世界の真実だけは鮮明に見える。なのに、戦いの記憶だけは曖昧な部分もあって……まるで記憶の層が虫食い状態になっているようだ。
――……否、記憶は見える者と見えない者がいるのだろう。
だが、オレは見えた。脈々と受け継がれてきたこの魂を。何度転生しても、≪アイツ≫の元へ戻っても、この場に降り立っている。……そして、もう≪次≫は無い。そう確信できる。何故だかはわからない。だが、≪アイツ≫はこれまでとは違うんだ。
彼も、間違いない。と断言してくれた。
「……受け継がれてきた刃が貴様に、貴様らに牙を向く時だ」
光を物ともしない裂帛の気合が、光を蹴散らした。
瞬きをする事すら許されない薄く、そして細い時間の切れ目で。確かに聞こえた気がした。
――……人とは強い、モノだな。 悠久の時を経て、……お前の様な人間に会えるとは思わなかった。また、また 会いたいモノだ。お前とは。
それを訊いた、と認識した瞬間、口元が緩んだ気がした。……自分は、笑っているのだと、認識した。
『オレよりも、アイツの方が優れている。……また会える』
そして、その戦いは。
それは最後の足掻きに思われたのだが。闇達は、数時間の死闘の末に男を討ち取る事に成功した。だが、それは決して 無傷ではなかったのだ。
一体多数なのに。圧倒的に有利。数の暴力だと言うのにも関わらず、残ったのは悪あがきと思っていた筈なのに、光たちは多大被害を受けた。
そして耳から離れない≪あの言葉≫だけだった。
――受け継がれてきた刃が牙を向く。
――そして月日は流れ、19年後――
これは、新たに生み出された人間と言う種族を中心に紡がれる物語。
今は破壊と混沌の時代。今の時代は英雄を求めていた。
時代が求める資質を備えた人物が2人。
だが……、その英雄たる資質を持ち備えていた1人は。
とっても自分勝手で
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