プロローグ
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ウムは 分身体であり ある意味では親と言っても差し支えないルドサラウムの世界を転覆せんと心に秘めていた。
だが、力では圧倒的に劣っている為、まだ手が出せない。故に、新たな世界をラサウム自身で創造した。その世界こそが後の≪悪魔界≫。神さえも関与する事が出来ない独立した世界となっていった。
――……これは、僅かな期間で発生した初めのイレギュラーである。
どんなシステムを用いても、どれ程まで趣向を凝らそうとも。どれだけ、管理を強化使用とも。必ずどんなシステムでも存在するのがバグ。即ちイレギュラーだ。
始まりは小さな綻び。……そして、それは徐々にそれは大きくなってゆく。
それは、長い期間に無残に滅ぼされたドラゴン達の魂の叫びからなのか……?
知りえてはいないとは言え、常に苦しめられ、未来永劫弄ばれ続けるメインプレイヤー達の魂の叫びなのか……?
それは誰にも判らない事だった。
ただ、そんな中でも判る事はある。
何度でも言うが、どれだけ完璧なシステムを作っても……、どれだけ監視し、管理。コントロールしたとしても……。必ず綻び、バグと言うものは起こると言う事。
想定外。と言う自体は起こり得ると言う事。
それは…… 神達にすら想像さえも付かない出来事。
GI0998
〜大陸北西部 聖森〜
周囲に広がるのは広大な森林。……だが、ただの森林ではない。邪気が、何処かに漂っている気がする薄気味悪い森。
だが、それだけではない。……純粋、とも言えるモノも孕んでいる。いや、正と悪の境界線が判らない。そんな気配も、感じる。 そして、間違いなくその境界線上の悪の方に位置する存在。
云わば純悪とも言える存在がいる世界。
「……どうやら、これまでのようだ」
周囲を見た男は、立ち尽くし……そう呟いた。
その姿は最早満身創痍と言って差し支えない姿だった。
身に付けている簡易な鎧には所々にひび割れ。割れた部分からは血が流れ出ている。人間の血は全体の1/3程抜ければもう死に至ると言われているが……、これは明らかに致死量を超えている量。その上まだ、滴り落ち、流れ出ているのだから。
「そんなっ……! ま、まだよ、ここまで、ここまで頑張ってきたじゃないっ しっかりして、あなたっ! 早くここからッ!!」
その言葉を聞いても、認めたくない。結末が判っている上でも、認めたくない。そう縋りつくように叫ぶ女性。
ただ出来るのは、手を握り締め 諦めるのは早いと何度も言い聞かせる事だけだった。
だけど……、男は首を振った、手遅れだと言う事、それは誰よりも判っている事だったから。……傷は致命傷。もう、長くは
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