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磯女
第一章
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しいな」
「そうだよな」
 こう話していたのだ、その話が気になってだ。
 彼は家に帰ってから祖父にだ、観光客が話していたことをそのまま話した。そのうえでそれはどうしてなのかと祖父に聞いた。
 すると祖父は顔を強張らせてだ、彼にこう言った。
「他のところはどうか知らないがな」
「ここはなんだ」
「そうだ、艫綱は下ろさない」
 それはというのだ。
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