遠征前日とスウィードに……
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モンスター!?」
「落ち着け。あれはフィーネさんが調教したモンスターだ」
ほら、見ろ、とそのアルミラージをよく見れば、ピンクと水色のリボンを着けた二匹と蝶ネクタイを着けた一匹。
まあそれだけ見れば可愛いという感想だけですむのだが、残念なことにそうはいかなかった。
三匹のその小さな可愛らしい手には、先程外に飛んできたトマホークと同じものが握られていたのだ。
「やりなさいっ!!」
『『『キュイッ!!』』』
そして投擲。
三つの得物が老人に放たれる。が
「甘いわぁ!」
カッ! と目を見開いたアスクレピオス様は見事な動きでそれを避けた。
あなた、本当に神の力封印してるんですかね? と思える動きだ。
……まぁ、封印してるんだが。
「クッ! ちょこまかと煩わしいですね!!」
『『『キュキュッ!!』』』
「ホッホッホ、いつものことじゃからのぉ。それよりほら、お客様が来とるぞ」
「え? あ、式。いらっしゃい」
『『『キュピィッ!!』』』
先程までのことがまるでなかったかのように振る舞うフィーネさんに、俺は呆れ顔で店へと足を踏み入れた。
続くスウィードも、「お、お邪魔します」とおっかなびっくりした様子で入ってきた。
「ごめんね。恥ずかしいところを」
「いや、いつも通りだから逆に安心したよ。エリザベート達も元気そうでなによりだ」
『『『キュイッ!!』』』
カウンターに登り、元気よく手をあげるアルミラージ達を優しく撫でる。
「ん? そっちの子はこの前の……」
「あ、スウィードです」
「これからこいつもここに来るだろうから、よろしく頼むよ」
「はい。これからよろしくお願いしますね」
「なんじゃぁ、女子じゃないのか。つまらんの」
そのやり取りを店の隅に用意された椅子に座ってみていたアスクレピオス様がそう呟いた。
「アスクレピオス様もおかわりなく」
「うむ。して式よ。リリアはいつ来るのかの?」
「さぁ。リリアさん、ハーチェスさんにゾッコンですから」
「はぁ、寂しいのぉ……フィーネ。その胸を使って慰めておくれ」
「ジョセフィーヌ」
『キュッ!!』
ごく自然な流れでトマホークが投擲された。
「怖いのぉ〜。もうちと老人を労ってくれてもいいじゃろうに」
「だったら老人らしくホームの自室で寝ていてください」
「お断りじゃ。フィーネにも会えんし、まだ来ぬ女子との出会いを自ら逃すつもりはない」
ホッホッホと笑って細い目をさらに細めるアスクレピオス様。
流石というかなわというか、ここまでくると呆れを
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