第一話 “竜翼の風”
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ベルベットは頷き理解すると、俺の部屋に着く。部屋に入ると、机に置いてあったガントレットを掴み、右腕に装着。それから、魔法書を幾つか取り出して近くにあるホルスターに入れ、腰に巻く。
「そこまで完全武装じゃなくても良いんじゃ無いですか?」
「極東の小さな国に、こんな言葉がある。“獅子は常に、弱き者でもその牙を振るう”と。相手が弱いからといって、予想外のことが起きらないとも限らないだろう?」
ホルスターのロックを掛けると、部屋の扉に居るベルベットに言う。
「さて、行くから手伝え」
「あ、了解っす!」
ベルベットは言うと、俺はギルドホームを窓から飛び降りて後にした。
†††
「居たっす!ヴィルコラスっす!!」
ホームから出て、街周辺を捜索すること数時間。
既に逃げてしまったか、と懸念していた矢先、ベルベットが叫んだ。
「何処だ?」
「あっちっす!!」
ベルベットの指差す方を見ると、銀色の体を持ち、翼を生やしたモンスターが見えた。
「ヴィルコラスの悪魔型……それも、偵察体シリーズか」
少し思案してから、ホルスターの一個から、魔法書を取り出して、開く。
「取り合えず、不意を狙いますか」
俺は魔法書のあるページで捲るのを止めると、一言二言唱える。途端、魔法書が光り、ページの文字が浮かんでそれを形作る。
爆熱魔導第三階位“グロリアス”。
作成されている魔法書の中でも、特に上位とされる爆熱の槍は、ヴィルコラスの大群に殺到しーーーー
ドガァアアア……ン!
跡形もなく、溶かしてしまった。
「あ、しまった」
頭を欠く俺に、ベルベットが叫ぶ。
「アンタ何してるんすか!?第三階位は禁止文書、所謂禁書指定のもんですよね!?何で持ってるんですか!?」
ヴィルコラスを溶かしてしまった事より、俺が第三階位の魔法を使ったことに驚いてしまって怒り始めた。
「あー、知り合いのつてで貰ったんだ。強そうだったし」
「だからってホイホイとーーーー!」
と、魔法書を奪い取ると、口を開けた。
「ーーーー何で白紙なんですか?」
ベルベットが驚愕したのは、白紙になっているページがあるからだった。
「ああー……。どー説明したもんか……」
少し思案すると、説明する。
「どうやら、その魔法書。禁書指定の割にはかなり構造が難しくてなー。主以外の奴が触ると白紙になるんだそうだ。あと、魔導使った後も一定時間の冷却時間が必要らしくて、ホイホイ撃てないらしい」
「……何処ソースですか、それ」
「知り合い」
「その知り合いは?」
「言えない約束だ。とまぁ、何はともあれ、魔導使えば回収して凝固させることぐらい出来んだろ」
ヴィルコラスの残骸を見て言うと、他の魔法書を取り出し、その作業を始めた。
まぁ、因みに言
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