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黒き天使の異邦人
第4話 蹂躙
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せており、400が話しかけても言葉少なく震える声で返事を返すばかりであった。
 そんな402の様子を400は戸惑っているように、どう接していいのかが分からないと言った様子で彼女を横目で見るだけだった。


「あの戦闘は、私達の完全敗北でした」

「……あ、あぁ……」

「それに、パイロットの技量も決して機体に劣る物ではありませんでした」


 思い返されるのは前回の戦闘の光景、相手となる機動兵器が持っていた常識という物では一切図れない超常的な性能に加えて、それを自在に操っていたパイロットの技量、全てがあまりにも高すぎるレベルで纏まっていた機体を相手に自分だけでも無傷で帰還して、寮艦を一隻失ったものの姉妹と言えるコアを回収できた事は喜ぶべき事だろうと思っていた。
 後は艦隊総旗艦へと報告を行うだけが自分の任務と思いなおした彼女は、進路を霧の艦隊の合流地点へと定めて向かうのだった。


(これは一体何なのだ? 奴の事を考えれば、胸が締め付けられて体が震える…… これは、一体……?)


 そう考えている一人の少女といえる姿をしたメンタルモデルの思いを置き去りにしたまま。
 彼女の中に目覚めた感情、それを彼女自身が真に理解するまで彼女はずっと自問自答を繰り返すことになる、この事の答えが出た時に彼女がどういった選択をするのか、それは彼女だけにしか分からないだろう。

 だが、元の正式な流れには無かった正体不明の存在の介入は、様々な方向へと既に影響を与え始めていた。


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