第4話 蹂躙
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かのどちらかだろう。
まあ逃げた潜水艦の様子から今回は俺を追尾しようという意思は感じられないし、何よりもグズグズしていたら増援に囲まれる危険もある。
そう判断した俺はアストラナガンの推進ユニットに出力を伝達し、一気にアオガネを目指すのだった。
それからの俺は常にセンサー類から送られてくる情報を処理しつつ、周囲に敵が居ない事と追尾している存在がいないことなどの全てを確認して、アオガネへと降り立つ。
海中でPT等の機動兵器を収容するアオガネ内のピットに降り立つと、周辺の海水が排水されて気圧も調整されていく。
「やっぱり狭い艦内での操作は苦手だな」
何度も経験というよりも艦内であれば訓練できるから、暇を見つければ動かしているんだが未だに艦内での歩行は慣れないな。
外を歩くよりも人一倍気を使わないと周辺の物にぶつかって機材を破損する恐れもあるし、最初に歩いた時はハロを一体ほど踏みつぶしてしまったしな、この辺は物凄く気を着けないといけない。
「ふぅ…… 最初の頃よりは大分上達したな……」
アストラナガンをピットに寝かせるとコクピットを開いて、ハロの手により接続されたタラップに乗る。
既にここが自分の家だと認識しているのか、タラップに降りて艦内の空気を吸った瞬間に家にいる安心感が胸の中にじんわりと広がっていく。
「やっぱりだ、元の世界に帰りたいという気持ちが薄くなっている……」
この世界に来てもう2年が経過した今、色々と体を鍛えたり知識を新たに得たりして過ごしている内に、俺の中である一つの思いが消えていくのを感じていた。
それは俺が元の世界に帰りたいと考える事が無くなったことと、更には元の世界での事が思い出せなくなっている事だ。
スパロボの知識とかは普通に思い出せるし、様々な知識も俺の頭の中に残っているから新たな知識を得た事で思い出せなくなっているという事ではない気がする。
「それにどんな人生を送っていたのか、どんな家族がいたのか、それも思い出せなくなっている……」
まるで顔も見えない誰かによって俺の記憶と意識が改変されているような、そんな得体のしれない不気味さをずっと感じていた。
この事が分かった時からずっと日記のような形で前の世界での事を書き綴っていたんだが、まるでも何も赤の他人の記録を読んでいるような、そんな気持ちになってしまうのだ。
「どうしてしまったんだろうな、俺……」
最初は元の世界に帰りたいという思いと、宇宙に出てみたいという思いが半々で混在していたというのに、今はもう元の世界に帰りたいという思いはほとんどなく、逆にここにある機体をもっと十全に扱ってみたい、宇宙に進出して見た事のな
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