艦隊これくしょん
暁の企み
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いつも執務用に置いてある卓袱台は壁に立てかけてあり、来客があった時のみ使う少し良い卓の上には色とりどりの料理が置いてあり、どれも良い匂いを発していた。
「お前ら、何してんの?」
「何してんのって、今日は司令官の誕生日でしょ?」
誕生日……、ああ、そんなのもあったな。
「忘れてたわ」
「やっぱりね」
そう言うと、暁は俺の手を引っ張って、上座に誘導し、座らせた。
「司令官に秘密にしながら、料理したり、飾り付けしたり、大変だったのよ?」
暁はそう言うと俺の右前の席についた。
「通りで大淀や明石と相談したりしていたんだな?んで、俺を監視していたのはなんでだ?」
気になっていたことを聞いてみると、暁は目をそらして「べ、別にいいじゃない!」と言った。
「いいじゃないか、教えてくれよ」
「嫌よ」
俺と暁が押し問答をしていると、大淀が「ゴホン」と咳払いをした。
「料理も冷めてしまいますので、夫婦喧嘩なら後でやってください」
「「ごめんなさい」」
「全く」と言いながらも、優しい顔をしている大淀はふと何かに気がついた。
「提督」
「なんだ?」
「明石、見ませんでした?」
この後滅茶苦茶怒られた。
俺の誕生会の後、執務室に残った俺と暁はお茶を飲んでいた。
「それで、さっきの質問の答えは?」
「分かったから、もー」
頬を膨らませて、暁は立ち上がった。
「ちょっとだけ、目を閉じてて」
「おう」
言われた通り目を閉じる。
何やらガサゴソと音がして気になるが、目を開けたら絶対に暁が怒るので、頑張って目を閉じておく。
そして、畳を踏む音が俺の方に近づいてくると、俺の手に軽い重みがかかった。
「目を開けていいわよ」
暁の合図で目を開けると、そこには小さな包みがあった。
「開けて、いいか?」
「うん」
暁からの許可を得たので、包みを丁寧に開ける。
するとそこにはペンダントがあった。
太陽を模したと思われるデザインで、他に余計な装飾は施されていない。
「ありがとう。とても嬉しいよ」
「うふふ、私が司令官を見てたのは司令官に似合いそうなデザインを思いつくためだったの。中々思いつかないから、シンプルな形になっちゃったけど」
「いや、こういうのがいいな。シンプルでも心がこもっているプレゼントがな」
そう言って、俺は暁の頭を撫でる。
暁は嬉しそうな顔をしながら、俺の手を受け入れた。
「司令官、もう一つプレゼントがあるから目を閉じて?」
「お、おお」
これ以上のプレゼントはいらない、と思いながら、
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