34話 ≪視えない心≫
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「異世界への入り口、輝く島への封印が解けた……! すぐにでも向かいたい所だけど、何があるか分からない場所だ。リンドブルムで体勢を整えて、翌日改めて出発しよう!」
ジタンがそう呼び掛けると、他のメンバーは力強く頷き返した。
「……ところでアナタ、元の世界に帰れる方法見つかったの? このままだとあたし達が目指してる所と同じ場所に行っちゃうだけな気がするけどっ」
「異世界へ通じるゲートとなる輝く島にて、事象の異なる次元の狭間とやらを見つけられればそこから別ルートを通してマゥスンは元居た世界へ戻れるようなのじゃが……それが見つからなかった場合は、どうするのじゃ?」
エーコとフライヤが気遣うように問い、マゥスンは至って冷静に答える。
「 ───別の手段を探るしかないが、これ以上そちらに迷惑を掛けるつもりはない。例えこのまま消える事になっても、自らの不始末でしかない」
「そーゆうこと云わないの! 無事に帰ってもらわないと後味わるいじゃないのっ」
「そうだな、消えねぇように俺が見張っといてやる」
エーコにサラマンダーが珍しく同感し、次いでビビとスタイナーも言葉を添える。
「待たせてるヒトが、いるんだよね。いなくなったりしちゃ、ダメだよ」
「案ずるより産むが易し! 何とかなるのだ!」
「そうアルな〜、カエルは帰るものアルよ」
「クイナ、それ云いたいだけじゃあ……。でもきっと戻れるわ、あなたの居るべき場所へ。そうでしょう、ジタン?」
「あぁ、ガーネットの云う通りだ。オレ達があきらめさせたりしないからな!」
「 ───── 」
皆の言葉を受け何を感じてか、マゥスンは無表情のままだが静かに頷き返した。
「ほんとはアナタって、記憶失ってたわけじゃないんでしょ? ……だったら元の世界に帰っちゃう前に、色々しゃべってもらうわよ! アナタのことほとんど何も知らないままお別れなんて、納得できないものっ」
「これエーコ、マゥスンはただでさえ<精神体>を維持するのに消耗しているのじゃから、輝く島へ出発する翌日までゆっくり休ませねば」
「えぇ〜、だけどぉ……!」
「わがまま抜かすんじゃねぇ。……お前は村を出た一人前で、もうガキじゃねぇんだろ」
「そ、それとこれとは話が別よっ!」
フライヤとサラマンダーに諭され、きまりの悪くなるエーコだが当のマゥスンは若干間を置いて口を開く。
「………。話せる範囲でなら、私は構わないが」
「ほら! この人だってこう云ってるし、少しだけでもお話させてよ〜っ」
「じゃあリンドブルムに戻ったら、エーコ達はすぐお城の客室に行くといいわ。わたしとスタイナー、ビビとクイナであなた達の代わりに城下町で色々と準備をしておくからね
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